中国で海旅販売 JTB新紀元、外資系初の認可
JTBグループの交通公社新紀元国際旅行社有限公司(JTB新紀元=本社・中国北京、西口庸社長)はこのほど、中国国内で中国人向け海外旅行販売の認可を受けた。中国政府が認めたもので、外資系旅行会社として初めて。中国全土で中国人の個人向け海外旅行商品の企画販売をはじめ、企業や組織団体への海外旅行営業が可能になる。
JTB新紀元は、中信旅游総公司との合弁会社で2000年に設立。資本金は500万人民幣でJTBが49%を出資した。日本のほか海外からの訪中旅行者のホテルや交通機関、ガイドなどを手配するインバウンド事業を手がけ、現在は中国国内で国内旅行商品の販売やMICE事業なども行っている。
今回の認可により、まずは10月の国慶節の日本行き海外旅行商品から販売する。個人向け海外旅行商品ブランドは「悠逸(ヨウイ)」。「ゆっくりと過ぎる時間と上質のサービス」という意味で、安価な企画ではなく日本の各地域とJTBとの連携により、新しい観光地の商品開発を手がけ、提案していくという。
7月下旬に発表予定の最初のツアーは記念ツアーとし、行き先は日本への渡航自粛勧告や復興状況を鑑みながら、東北地方を含めて検討している。中国人客に満足を提供しながら「少しでも復興に協力できるようなスケジュールやイベントなどを企画する」としている。
そのほか周遊型プラン、都市部へのフリープランなど、日本の四季が感じられる商品やテーマ別に趣向を凝らした商品をラインナップしていく。将来的には国内のJTB地域事業会社と連携し、相互に行き交う2WAYチャーターを展開。最初のチャーターは春節をメドに実施したい方針だ。
当面は独自の店舗展開は行わず、既存の中国国内の旅行会社と販売契約を結び、販売ネットワークを早急に拡大していくほか、ネットやメディア販売に取り組む。
また、法人事業についてはJTBが持つノウハウを発揮し「出張やMICE、教育旅行を取り込みたい」としている。