増収で２期ぶり黒字　ＪＴＢ決算、海旅とウェブがけん引

ＪＴＢグループの２０１０年度（10年４月1日―11年３月31日）連結決算がこのほど発表された。売上高は前期比４．０％増の１兆１６６７億円、営業利益82億円、経常利益74億円で、当期純利益は前期から１９６億円増え50億円で黒字に転換した。

東日本大震災によるキャンセルなどの影響で３４０億円減収したものの、震災前までの海外旅行や訪日旅行の増加、法人需要の持ち直しで、旅行売上高で前期比４．２％増４１５億円の増収を計上した。

国内旅行の売上高は、２月までは団体旅行が堅調に推移していたが、春休み需要を直撃した震災の影響で同２．９％減だった。

海外旅行は羽田空港国際化や円高を追い風に、売上高で同12．１％増、取扱人員でも同５．８％増の３４８万人だった。

訪日旅行は、取扱額ベースで同10．９％増の３４７億円。特にオンライン販売システム「JAPANiCAN」の取扱人員が同36．７％増の９万２千人と急伸した。

ウェブ事業も同18．１％増の１０７０億円となり、るるぶトラベルのダイナミックパッケージ販売などが奏功した。出版関連事業では、売上高は減少したもののフリーペーパーなど新規事業への取り組み、管理費の抑制などによって過去最高益を記録した。