地旅で国内活性化 全旅・総会、池田社長4期目に抱負
全旅は6月15日、東京都品川区の品川プリンスホテルで株主総会と懇親会を開いた。4期目の続投となった池田孝昭代表取締役社長は、地旅による国内観光の活性化へさらに取り組む意向を示した。
同社の第38期(2010年4月1日―11年3月31日)実績は、3月の東日本大震災で当初の見込みよりは落ち込んだものの「過去最高の数字を記録」(池田社長)。昨年4月に実現させた日本旅行やJR東日本などとの業務提携が奏効し、旅行事業の売上高が前期比の2倍近くに急伸した。クーポン取扱も券面額で約220億円と過去最高だった。
懇親会のあいさつで池田社長は「我々が取り組んできた着地型旅行が今こそ脚光を浴びる時です」と話し、東日本大震災で被害を受けた地域の地旅を全国で販売送客するよう呼びかけた。実際、すでに着地型の被災地応援ツアーは30商品がラインナップされているという。
また「我々と車の両輪である受け入れの皆さんとともに地域振興、国内観光の活性化へ取り組んでいきたい」とし、旅館ホテルや地域とともにつくる地旅を推進していくことを強調した。
今期は「売れる地旅」を掲げて、池田社長を本部長とする地旅推進本部を設置し、全国10地域に地旅推進リーダーを選任。提携している日本旅行やJR各社とも協調し地旅の販売促進に力を入れる。
なお、懇親会には全国旅行業協会(ANTA)の二階俊博会長や日本観光旅館連盟の近兼孝休会長、国際観光旅館連盟の西村肇副会長ら約200人が出席。二階会長が中心になって推進している全国ひまわりキャンペーンで、参加者にロシヤひまわりの種がプレゼントされた。
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【株主総会で決まった全旅新役員】
▽代表取締役社長=池田孝昭(再)
▽取締役副社長=大原秀雄(再)、兒島武(再)
▽取締役=佐藤達雄(再・北海道)、佐藤好徳(新・岩手県)、浅子和世(新・埼玉県)、坂入満(再・神奈川県)、青木利道(再・新潟県)、萩原敏和(新・愛知県)、吉村実(新・大阪府)、近藤幸二(再・岡山県)、明神勲生(再・高知県)、中間幹夫(新・鹿児島県)
▽監査役=武井哲郎(再・群馬県)、志村勇(新・山梨県)、井田克己(新・滋賀県)
敬称略。カッコ内の再は再任、新は新任。