JTBワールド、アジアB級グルメを商品化 この秋、初の設定
アジア各地で現地のB級グルメを食べ歩くツアーをJTBワールドバケーションズ西日本販売本部がこの秋初めて設定した。場所や言葉などの不安感から"敷居の高い" ご当地グルメに焦点を当てた。ソウルや台北などアジアの都市観光の魅力であるB級グルメを満喫するツアーとして販売の滑り出しも順調だ。
地理や言葉の不安払しょく
新商品は「JTBお買得旅 B級グルメを楽しむ」。日本でも人気のB級グルメのアジア版で、商品企画担当者が地元で人気の店舗を調査した。「現地ならではのグルメが食べたいが、場所が分からない、言葉が心配」という旅行者の声を反映。個人では行きにくかったり、見つけにくい場所の店舗へ現地係員が案内する。
韓国、台湾、香港、ホーチミン、バンコク、シンガポールの6方面で設定。韓国では立って食べるドラム缶焼肉、台湾では日本でも人気の鼎泰豊の小籠包など人気店をラインナップしている。地元で支持を集めている牛乳プリン(香港)やマンゴーアイス(バンコク)などスイーツもセット。1方面あたり平均約14食を用意する。食事の間には、オーダーメイドでブラウスを作る店(ホーチミン)、女性が好きな雑貨店(各方面)も組み込んだ。
ツアー代金は、4万9800円から。JTB西日本広報室によると、9月30日の発売直後から反響が大きく、韓国や香港を中心に予約を伸ばしているという。
パッケージツアーの食事場所と言えば、ホテルや団体向けレストランなどが中心で、旅行者の「地元の人が足繁く通う店を体験したい」という要望に応えきれていなかった。そのため近場のアジアではFITやスケルトンタイプの需要が増えたわけだが、今回のツアーは業界的な都合の壁をこじ開けた実験的なツアーであるとも言える。JTBの担当者も「アジア都市観光の魅力を旅行会社からお客様に提案する、久しぶりに旅行会社らしいツアー」と誇らしげだ。
11月1日からの出発で、来年3月末までの期間中3千人の販売を目標としている。