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JTB 東京で創立100周年式典開く

12/03/14

JTBは3月12日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで創立100周年記念式典を開いた。JTB社員をはじめビジネスパートナーである旅館ホテル、輸送機関などから1300人が参加し、100周年を祝った。

開会の辞でJTBの佐々木隆会長が、「被災地の観光復興支援を使命とし、次の100年をスタートさせる」と決意を示したほか、田川博己社長も、「日本の復興、再生の下支えに旅の力が求められています」と話し、ツーリズム産業の発展と社会貢献にリーダーシップを発揮していくと約束した。

また、田川社長は復興の1つの形として外国人旅行者を多く誘致することをあげ、JTBが1912年にジャパン・ツーリスト・ビューローの名称で、訪日旅客の誘致を目的に設立されたことを念頭に、「歴史のめぐりあわせを感じます」と決意を新たにしていた。

JTB田川社長

今後の決意を語る田川社長

JTBグループは現在、従来の旅行業から、交流文化事業全般に事業領域を拡大しようとしている。次の100年が「交流文化事業が社会に貢献する世紀」となり、JTBが世界中の人々から必要とされる企業グループとなることを目指すとしている。

来賓からは清野智・JR東日本社長が、「JTB抜きで日本の観光産業は語れない」と100年の実績を讃えたほか、福田朋英・JTB協定旅館ホテル連盟会長が、「さまざまな自粛が震災からの復興を遅らせたことを私たちは学びました。震災追悼式の翌日に創立100周年式典を挙行した英断に感謝します。今日を機に、未来の夢に向かって歩みを進められます。事業パートナーとして日本の観光振興に手を携えて向かっていけることに期待しています」と祝辞を送った。

100周年式典には、佐々木・JTB会長が「被災地の観光復興支援を使命とし、次の100年をスタートさせる」としたように、東北観光復興応援プログラムとして、高橋宏明・東北観光推進機構会長と一力雅彦・河北新報社社長から、東北の現状とツーリズムへの期待を聞く講演会が持たれた。

このなかで両氏が強調したのが、風評の払拭による教育旅行回復への期待と、ツーリズムによる被災地を忘れない仕組みづくり。

高橋・東北観光推進機構会長は東京電力の原発事故について、「ウェブサイトで放射線量を正確に伝える努力をしています。会津若松は仙台や東京よりは若干高いですが、教育旅行で訪ねても問題ありません」と理解を求めた。

一力・河北新報社長は、「震災から1年が経ち、大切なのは被災地を忘れない仕組みをつくること。被災地は災害を学ぶ絶好の場です。中学生に教育旅行で来てほしいし、企業の研修ツアーに組み込んでほしい。復興ツーリズムで観光が果たす役割は大きい」と期待を示した。

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