ANTA、安全徹底へ指針周知 高速ツアーバス対応急ぐ
12/07/03
全国旅行業協会(ANTA、二階俊博会長)が6月15日に東京で開いた記者会見では、4月29日に関越自動車道で発生した高速ツアーバス事故後の対応についても説明があった。
二階会長、「業界全体の問題」と襟正す
ANTAでは、5月16日に国土交通大臣からの安全対策強化に関する要請を受け、JATAと安全対策合同部会を設置。6月6日までに「高速ツアーバスに関わる安全指針」を策定し国交相に提出したほか、会員への周知を徹底した。
このなかで、高速ツアーバス企画実施会社となる旅行会社が遵守すべき事項として、安全確保の状況を事前に貸切バス事業者からの書面で把握することや、走行距離が夜間に450キロ以上となる場合の交替運転者の配置を必須とした。加えて、前日までに実際に運行する貸切バス事業者名や車両番号、運転者名や携帯電話番号の把握、出発前までに参加者氏名などの把握を徹底することなどを決めた。
また、国交相から要請された「新たな高速乗合バス」への早期の移行については、ANTAでは会員に30社程度の高速ツアーバス会社があることを把握しており、「速やかな移行を要請した」(有野・ANTA専務理事)。
高速ツアーバス事故について二階・ANTA会長は、「日本中の観光事業に与えたマイナスの影響ははかり知れません。事故を起こした会社や運転手の問題に矮小化せず、観光関係者すべてが命を預かる気持ちに立ち返り率直に反省すべき」と自らも襟を正した。
また、安全を所管する省庁に対しても、「事故を機に、現場に下り、安全について掘り下げた議論をしてほしい。反省の弁が胸に響かないのも残念」などと指摘した。