全旅、事業展開は視界良好 株主総会に160人出席
全旅(池田孝昭社長)はこのほど、大阪市北区のヒルトン大阪で「第39期定時株主総会懇親会」を開き、関係者160人が出席した。
席上、池田社長は昨年度を振り返り「日本旅行との提携も順調に推移し、思った以上の実績を上げることができた。これは会員の皆様のご協力があってできた賜物」と明言。国際観光旅館連盟オープンウェブの運用も始まるなどネット事業にも取り組むことで会員の後方支援を行っていくほか、6月に九州支社をオープンさせたことも報告し「九州へのお客様をご案内できる体制が整った」と、利用を呼びかけた。
また、韓国で開かれている麗水世界博覧会へ向けて豪華客船「ふじ丸」をチャーターし、340人を送客したことなども報告。8月27日には日中国交正常化40周年記念事業として、西安へ2千人規模の送客を計画中であることも話した。
全旅協の二階俊博会長は高速ツアーバス事故について「我々は人が亡くなっていることに対して反省が足りない」と強調。「荷物を運んでいるのではない。人を運ぶ仕事をしていることを毎日、新鮮な気持ちで確認しなくてはいけない。緊張感があれば事故は起きない」と語り、「これまで中国とは5千人、1万人規模で交流をしてきたが、1回でも事故があれば、どれだけ盛大な催しをしても何にもならない」と話した。
続いて自身がこのほど新設し、会長を務める国土強靭化総合調査会について紹介。「災害に強い国土づくりを進める必要がある。人と自然を前提に現在取り組んでいる」とし、理解を求めた。
大阪航空局の花角英世局長は、航空業界でLCCという新たな事業展開が繰り広げられている点に触れ「旅行会社からすると関係がないように見えるかもしれないが、これまで飛行機に乗ったことがない人や飛行機に荷物棚があることを知らない人が利用している。そこには新たな旅行需要の広がりがあり、ビジネス拡大のチャンスがある」とあいさつ。
このあと日本旅行西日本営業本部の山岡孝典副本部長が乾杯の音頭をとり、懇親会に移った。