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事務局職員が考案した「地旅」を商品化 オーサカ・ゼンリョ

12/10/19

「私たちが企画した地旅(じたび)です。ぜひご参加ください」――。社団法人全国旅行業協会大阪府支部の事業会社、オーサカ・ゼンリョ(吉村実社長)の事務職員3人が地元・大阪の秋を楽しむ日帰りツアーを企画した。「プロを自認している我々でも、なかなか思いつかない内容」と吉村社長も絶賛のツアー。10―11月に3つ催行する。現在参加者を募っている。

オーサカ・ゼンリョは昨年10月に旅行業登録を取得。第1弾ツアーとして、豪雨被害に見舞われた南紀を訪ねる復興支援ツアーを実施し、業界内外から参加者が集まった。事務職員3人も添乗などの業務に従事し、会社とともに旅行業にデビューした。その後、募集型企画旅行は行っていなかったが、吉村社長は「3人のスキルがアップし、さらに成長を促そう」と第2弾ツアーの実施を決めた。

今年8月に吉村社長が「宿題」として3人に企画の立案を指示した。3人は、事務局長の鍛冶田雅弘さん、職員の金田清美さん、水谷とも美さん。初の経験に戸惑うこともあったが、吉村社長の「自由に考えていい」という後押しで「自分が秋に行きたいと思うところ」(水谷さん)などと、1人3本ずつ9つのツアー案ができ上がった。その案を吉村社長ら役員で審査、各人1つずつ商品化することを決めた。

オーサカ・ゼンリョ

着地型旅行を考案した
オーサカ・ゼンリョの皆さん

最初に催行するのは、水谷さんが考えた「水都大阪!水陸両用バスクルーズと歴史と文化の街 北浜を歩く」。人気の水陸両用バスに、大阪経済の中心地・北浜の散策を組み合わせた。実は、水谷さんの自宅は北浜にある。「北浜っていいところなんですよ」。『住んでよし、訪れてよし』を体現した内容だ。催行は10月26日(金)。水陸両用バスで大川の水上めぐりを楽しみ、中之島・北浜界隈を歩く。昼食は、大川の川床「北浜テラス」でいただく。出発場所、ホテルの催行で、旅行代金は1人6500円。吉村社長の寸評は「商都・大阪のイメージもあり、中之島ではバラ園を見学し季節感も出している」。

11月11日(日)は、金田さんが考えた「ノスタルジック天王寺~天王寺動物園&新世界観光とちんちん電車貸切で歌声列車」。今年まち開き100周年を迎えた新世界界隈を歩き、フグの看板で知られるづぼらやで昼食後、阪堺電車の貸切列車に乗り込む。車内ではビール、ソフトドリンク、おつまみが付き、参加者で歌謡ショーを行う。歌謡ショーをリードするのは、金田さんが歌を習っている先生だそうだ。旅行代金は1人9500円。小学生以下は2500円。吉村社長は「大阪の下町情緒を感じられそう。チンチン電車の貸切は定番化しているが、車内でイベントというのが斬新」。

最後は鍛冶田さん。11月29日(木)に催行する「十石船で巡るホロ酔い芸術の旅!」。大阪・難波発着で、京都伏見の十石船遊覧や酒蔵見学、アサヒビール大山崎山荘美術館、サントリー山崎蒸留所を訪れる。伏見で酒蔵弁当を食べるほか、見学各所で酒の試飲などが楽しめる。日本の秋の風情を味わえるところを商品として盛り込んだ。旅行代金は1人8800円。吉村社長は「ありがちなパターンだが、テーマを絞っていて面白い」。鍛冶田さんはこっそり「うちの役員や理事をターゲットとして設定した」と笑った。

今回はチラシを1千枚作ったほか、全旅が運営する地旅のポータルサイト「ANTA-NET」で告知した。他府県を含めANTA会員が売りやすいよう販売手数料も設定している。吉村社長は「今回の取り組みで見通しがつけばぜひ継続していきたい。3人の消費者目線で、ANTA会員の皆さんにコース提案としても活用してもらえれば」と話す。将来的には自社HPを立ち上げ、オーサカ・ゼンリョの地旅の直販化も見据えている。

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