パッケージ商品ならではの訴求 13年度ルックJTB西日本発
JTBワールドバケーションズはこのほど、2013年度上期(13年4-10月)の西日本発「ルックJTB」商品を発表した。LCC(格安航空会社)の就航などでFIT化が進展する市場に、ベテラン添乗員が案内する旅やテーマ性のある企画を投入することで「パッケージ商品ならでは」の魅力をぶつける。好調だった12年度よりさらに1割ほど多い38万8千人の取扱人員を目標に掲げる。
12年度のルックJTBは、全国ベースの取扱人員が前年比107%で過去最高の140万人と見込まれている。西日本発に絞った場合でも同102%35万6千人となる見込みだ。団塊世代のリタイヤや円高基調を背景に大きく伸ばした。アジア需要が高い西日本は、中国や韓国との領土問題で、全国に比べる伸び率は低かったが堅調に推移している。
13年度の西日本発商品のうち新商品として設定した中で目を引くのは「くつろぎの旅」。添乗員が同行するツアーは参加人数を10人までに限定し、JTBグループの専任添乗員1500人中、添乗経験が豊富な上位1割にあたる「マスター添乗員」「グランドマスター添乗員」が添乗を担当する。行き帰りの航空機はC(ビジネス)クラスを利用。旅行代金は1人100万円をゆうに超えるが、このツアー限定のプレミアム感を随所に盛り込んでいる。
「オリエント急行の旅 ミラノ・ベネチア・パリ8日間」は、ベネチアからパリ間まで豪華列車1泊2日の旅をメーンに、「フォーシーズン」(ミラノ)、「ダニエリ」(ベネチア)、「ブリストル」(パリ)と各都市では一流と称されるホテルに泊まる。昼食は、個人では予約が取りにくいミシュランガイドで星を獲得したレストランをラインナップした。代金は1人175万円から185万円。ツアーの疲れが少し出そうな5日目の夕食、ヨット・ド・パリ ディナークルーズ」は1人3万5千円をプラスする追加設定になっている。
くつろぎの旅では、もう一つ「トランプ・インターナショナルで過ごすホノルル6日間」。ホテル最上階のキッチン・リビング付きスイートオーシャンルームに滞在し、滞在中は専属のコンシェルジュドライバーが観光案内、レストランの予約・送迎などを担う。最大の売りは、専属の調理人が客室キッチンで調理するパーソナルシェフ・サービス。1日1組限定の特別なおもてなしを受ける。代金は97万円から165万円。
12年度からハワイ、グアム、シンガポールで設定し人気を集めた「女子旅プロジェクト」は拡大する。「女子目線」で滞在プランを提案する内容で、販売人員が6千人を超えるヒットを飛ばしたことから、13年度はソウル、バリ島なども加える。同様に評判が良かった「アシアナ航空キャビンアテンダント体験」も本格的に商品化、13年度で300人の取扱を目指す。
さらに、開花時期に合わせて新たに設定した「世界の花」シリーズ、ミャンマーへのチャーター商品などもそろえ、販売見込みでは13年度、中国を除く全方面で前年比超えを目論む。特にシンガポールやバリなどを中心にアジアは2割近く伸ばすとしている。全商品平均の旅行代金は12年度上期比で98%と若干安くなっている。拡大するウェブ販売については、前年より2ポイント程度伸び、売上の15%を占めるとみている。