スマートデバイスに対応 楽天トラベルが新春カンファレンスで戦略披露
楽天トラベル(岡武公士社長)はこのほど、近畿地区の旅館ホテルを対象にした新春カンファレンスを開いた。保有率が急速に拡大するスマートフォンなどスマートデバイスへの戦略的な対応について、同社の三木谷浩志会長らが講演した。
会場の帝国ホテル大阪に集まった旅館ホテル関係者約500人を前に、三木谷会長は「インターネットが登場した時と同様なインパクトがある」と、スマートフォンやタブレットPCの隆盛を評した。すでに楽天トラベルではスマホ経由の予約が急伸しており、今年1月1日の予約で40%以上に達している。
また、楽天市場ではスマホ対応のページ編集の有無によって売上差が4倍になっているという。楽天トラベルでも宿泊施設向けに編集機能をリリース、GPSなど他アプリと連動することで宿泊予約の獲得増大につなげる戦略を描く。
三木谷会長は「将来的には7―8割がスマホ予約になります。スマートテレビ(ネットの上の映像やスマホのアプリも視聴できる)も5年以内に出てきます。単純にパソコンの代替ではなく新たなサービスが創造され、これらは中高年層も使います」と話した。
新しいサービスの例として、三木谷会長は2008年8月にサンフランシスコで誕生した「AirBnB(エアビー・アンド・ビー)」を挙げた。個人宅の空き部屋と宿泊希望者をマッチングするサイトで、開設3年半の11年2月には利用者が100万人を突破している。「LINEのユーザーは19カ月で1億人を突破しました。ツイッターは49カ月、フェイスブックは54カ月で1億人でしたからスピードはどんどん上がっています」とし、自宅をソーシャル化するAirBnBも同じ成長曲線にあるとみている。
岡武社長も今年の重点施策として、PCだけではないマルチデバイスの対応強化を一番に挙げ、カード決済やサイトの使い勝手の良さを追及していくとした。
加えて、アジアを中心に海外進出も積極的に行い、すでに11カ国に19拠点を設けたと報告。「アウトバウンド、インバウンドともに強化する」と話した。