JTB国内旅行企画を設立 国内商品事業本部を分社化
JTB(田川博己社長)は10月15日、国内商品事業本部を分社化し、全額出資の子会社「JTB国内旅行企画」を設立すると発表した。国内旅行の仕入や商品企画・造成に特化し企画力を高める。新しい旅行スタイルの提案などを通じて、インバウンドを含めた国内旅行市場の拡大を目指す。
新会社の運営開始は2014年4月1日。資本金10億円、各地域会社の事業本部を統合、社員数1千人という「06年からスタートした分社化、構造改革でもっとも大きな改革」(田川社長)で、初年度の売上高は約3千億円と設定した。国内で最大規模のホールセラーになる。社長など人事は未定だが本社はグループ本社に置き、主要事業所として札幌、仙台、さいたま、東京、名古屋、金沢、大阪、広島、福岡、那覇に設置する。
分社化のねらいは、意思決定の迅速化や財務基盤の強化、販売拡大や事業領域の拡大。経営面ではマーケット志向、顧客志向を持つ「人財」の育成、各地域会社などで重複する業務の解消と経営効率の改善も念頭に置く。
営業面では地域交流事業を深化させ、着地型など新しく高付加価値の商品企画・造成を図る。交流人口拡大や、東京五輪を見据えての訪日市場といった新領域へも積極的に対応する。
商品企画は、エースJTBを主軸に、体験など着地型、価値創造型の商品の販売を強化し、他社との差別化を推進する。
仕入販売面では、データ活用や施設コンサルティングを強化。買取、販売保証も拡充していく。
田川社長は「2020年ビジョンに掲げた交流文化事業の完成に向け、メーカーとしての旅行業を再構築する最後の砦。現在積極的に進めているデスティネーション・マネージメント・カンパニー(DMC)で掘り起こした地域の魅力、素材を全国規模で流通させていく。JTBグループの屋台骨を背負っていく会社です」としている。