貸切バス制度改正で旅行業界が要望(1) 中部九県会が要望書提出
貸切バスの新運賃・料金制度改正に関して、旅行業界では引き続き改正に対しての要望などを行っている。全国旅行業協会(ANTA)の中部九県会は、近畿地方支部長連絡会に続き要望書を作成、ANTAの二階俊博会長や国交省などに提出した(下記事)。またANTAが6月中旬に観光庁へ質していた新制度の運用や懸念について、観光庁から文書で回答があった(トラベルニュースat夏の合併号に詳報)。
全旅協中部九県会は、貸切バス運賃・料金制度改正について、中部九県支部長の連名でANTAの二階俊博会長宛てに要望書を提出した。
愛知県・蒲郡温泉のホテル竹島で開いた第34回定例会で緊急動議を図り、承認可決した。要望書には「内容の再検討及び実施期間の検討をお願いしたい」と明記している。
要望書を提出する理由としては(1)一般消費者への周知徹底がなされていない(2)制度改正にあたり、十分な検討および期間を設けず急きょ作成したため、実態とは離れた内容である(3)上限30%、下限10%になっているが、下限も30%であってもいいのではないか(4)インバウンド事業についても同じ制度を取り入れることになっているが、実際に実施が可能なのか。また、この料金で外国人観光客2千万人が達成できるのか(5)渋滞などによるコースなどで、追加の料金を誰が負担するのかがあいまい―を挙げている。
九県会では二階会長と同じ内容の要望書を国交省中部運輸局各県支局にも提出した。
このあと開いた定例会では昨年度の事業・収支決算報告が行われ、新潟、富山、長野、福井、岐阜、静岡、三重、石川、愛知県各支部の代表がそれぞれの現状について報告。
定例会終了後、愛知県の観光関係者が加わり、愛知県観光誘致意見交換会を行った。日本観光振興会中部支部の須田寛支部長は「中部の観光ビジョンとこれからの中部の観光を考えて」、蒲郡市観光協会の森隆司常務理事は「GOGO三河湾協議会」について、それぞれ持論を展開しながら説明した。
また特別講演として徳川美術館学芸部課長の吉川美穂さんが「徳川美術館と日本一の嫁入り道具『国宝 初音の調度』」を演題に講演した。
中部九県会は、愛知、岐阜、静岡、三重、長野、福井、石川、富山、新潟の全国旅行業協会支部で組織している。
→貸切バス制度改正で旅行業界が要望(2) 観光庁からの回答に「がっかり」に続く
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