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海外旅行厳しく危機感 JATA田川会長「もう一度価値の創造を」

15/07/22

JATA(日本旅行業協会)の田川博己会長(JTB会長)は7月1日、東京・虎ノ門のJATA会議室で会見を開き、今年上半期のマーケット動向や今後の見通し、旅行業界としての課題について話した。

JATAは6月24日に2015年度の総会を終えたばかりで、このなかで14年度の活動報告や15年度の事業計画はすでに紹介済み。ただ、最近は訪日旅行の急増や、日中、日韓の関係改善における旅行業界の取り組みなどから、一般メディアのJATAに対する関心も高く、特に会長会見には全国紙や通信社の記者も多く参加するようになっている。JATAでもこうした機会を積極的に情報発信に使おうと、会長会見を多く設定している。

会見で田川会長は上期の市場動向について「インバウンドは絶好調、国内旅行は順調、問題は海外旅行」と表現。海外旅行は1―5月の実績が前年比5%減少し、実数でも訪日旅行者数を下回っており「夏も数字は伸びていない。厳しい状況」。厳しさの度合いを、湾岸戦争後と阪神淡路大震災後の状況とまで並べてみせた。

日本旅行業協会

上期の市場動向について
話した田川会長

その上で「海外旅行自由化50年を過ぎ、最大年間1800万人台を経験し、海外旅行は1つの区切りを迎えたのかもしれない。次の時代に向けてもう一度海外旅行をする意味や価値の創造をしっかりとする必要がある」などと話した。

一方でインバウンドについては、質の向上と地方への分散をキーワードにあげた。

「地方創生への貢献も期待できる。ただ、そのためには地方の国際化が必要。地方空港の活用だけでなく、活発なクルーズ市場に応える港湾整備も急務。クルーズ船を降りたところが倉庫のような場所では、ゲストを迎える環境ができていると言えない」などと指摘した。

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