"ミスター全旅"勇退 池田孝昭会長が退任
14年間に渡って全旅の社長、役員を務めてきた池田孝昭会長が退任した。6月22日、大阪市北区の帝国ホテル大阪で開かれた第43期株主総会後の懇親会の席上、中間幹夫社長が明らかにした。
中間社長は「ミスター全旅と呼ばれるぐらいご活躍いただいた。池田さんにはこれからも大所高所から我々をご指導いただきたい」と話し、長年の功績を称え、感謝の意を表した。
池田さんは「この1年間、中間社長を中心に新しい経営陣の皆さんが非常に熱い思いを持って一生懸命に取り組んでこられた。その証が、3月に鹿児島で開かれた第11回国内観光活性化フォーラムと地旅博覧会を成功裡に導いたことです」。自身が離れても、会社が軌道に乗って進んでいることを確認できたのが辞任のきっかけになったと話した。
また、社長時代に株主から常駐役員設置の必要性を求められ、昨年の株主総会で常駐役員を社員から抜擢、選任できたことや、今年9月から自社サイトに英語版の地旅(じたび)情報を発信することが「置き土産」になったとした。
自身も被災した熊本地震にも言及し「皆様の大きな力添えをいただいた。心から感謝申しあげたい。この気持ちを忘れることなく、これからも熊本の地で全旅の一会員として何らかのご恩返しができるよう前向きに進みたい」と語った。
来賓として出席したANTAの近藤幸二副会長は、参議院選挙の公示日と重なり欠席した二階俊博会長のあいさつを代読した。「全旅協の大事なパートナーである全旅で長きに渡って社長を務められた池田会長に対して、全旅協として心より感謝申しあげ、ますますのご活躍を願っている」とのメッセージを紹介した。
近藤副会長自身も「全旅で4年間、旅行部会長として当時の池田社長にご指導いただいた。ラオスへ初チャーター機を飛ばしたり、トルコへの訪問団派遣など、ものすごいバイタリティのある社長だと驚いたことを覚えている。これからも引き続いてご指導を賜りたい」と語った。
第43期の実績について中間社長は、営業利益が昨年同様、好調だったことを報告。「現在、業界にはアゲインストの風が吹いているが、国や地方自治体が打つ政策を活用しながら、新規事業に取り組みたい」と、懇親会に招いた株主や国内外の関係先に話した。
特にインバウンド事業には積極的な取り組みを行い、ANTA会員向けのサービス、支援が図れる体制の整備を進める。地旅サイトには、この秋からインバウンド向け商品をそろえ多言語化を行うほか、決済システムを導入し消費者と会員会社を直接つなぐ。情報交換会やセミナーなども開催する予定だ。