国内、海外ともに低調続く JATA12月期DI、訪日もマイナス
日本旅行業協会(JATA)の2016年12月期(10―12月)旅行市場動向調査の結果によると、国内旅行の景気動向指数(DI)はマイナス11で前期(7―9月)より1ポイント下落した。海外旅行は3ポイント上昇のマイナス32と緩やかながら改善。いずれも見通しを下回っており、低調ムードが続く。
国内旅行DIは、ネット系旅行会社がマイナス33ながら前期から11ポイント上昇。一方で国内旅行ホールセラーは15ポイントの大きく下落でマイナス43に落ち込んだ。
エリア別では、九州はマイナス26だが前期より10ポイント改善。旅行会社からは九州の「ふっこう割」効果で全般的に人気が高まっているという。京阪神は横ばいだが、東京、北海道、伊豆・箱根といった人気の方面の下落が目立つ。
団体旅行は全体的にマイナスが続くが、教育が大きく上昇。個人旅行はシニアが好調で唯一のプラスとなる7に。ファミリーは14ポイント下落のマイナス19と不振だった。
国内の次期(1―3月)DIは、2ポイント下落してマイナス13との見通し。
海外旅行は、ネット系旅行会社など一部を除き、多くの業態で上昇。若干ながら回復傾向が見られる。方面別ではハワイが微減のマイナス1となり、9ポイント上昇で7となったアジアが最上位に。次期DIの見通しは3ポイント上昇してマイナス29。
また、今期から訪日旅行の調査を開始。DIはマイナス6で、ネット系旅行会社が25、総合旅行会社は7で好調だ。方面別では北海道、ゴールデンルート、首都圏、大阪・京都はプラスだが、九州や東北はマイナス30超で低迷している。旅行会社からは「ゴールデンルート以外、例えば中部の昇龍道など地方への分散が進む」「団体から個人へのシフトが目立つ」といった声が聞かれる。
次期DIはインバウンドブームにも陰りがみられるとの声もあり、マイナス12に。
調査は4半期ごとに実施。今回はJATA会員318社が回答した。