GWは「帰省」増、総旅行人数は微減 JTB旅行動向
純粋な旅より「帰省」、どうせ行くなら遠くへ―。JTBが発表したゴールデンウイーク(GW、4月25日―5月5日)の旅行動向見通しによると、総旅行人数は対前年比1.7%減の2360万人と微減となった。昨年と大きく変動はないものの、国内旅行の目的は帰省の割合が大きくアップ。景気が横ばいなら「家族でゆっくり」という意向が強まっているようだ。
今年は最大9連休だが、アンケートで「旅行に行く」と答えた人は前年に比べ微減。旅行予定費用は2万円未満と6万円以上がそれぞれ増加するなど、「お金をかけない派」と「せっかくだから豪勢派」の二極化傾向にあるという。旅行平均費用は国内旅行が前年並みの3万5200円、海外旅行が同0.8%減の25万7千円となった。
これらを反映した結果が、国内旅行目的の「帰省」の増加。前年から13.7ポイント増の27.6%に、利用宿泊施設も「実家・知人宅」が同7.3ポイント増の34.5%になるなど、「離れて暮らす家族と過ごす」の増加は顕著だ。
国内旅行人数は同1.8%減の2300万人。エースJTBの予約状況からは北海道や沖縄など遠距離が人気で、「レゴランド・ジャパン」開業の名古屋も好調だという。節約志向ながらも、本格的に旅に出る人は遠くへということか。
一方で、海外旅行人数は同1.2%増の59万5千人。前年半ばから続く出国者数の増加にみられるように一時期の低迷を脱却しつつある。方面はハワイや近距離のアジア、グアム、遠距離のカナダ、北欧などが人気を集めている。
関西発は、国内旅行の方面別予約人数1位は沖縄で、東京ディズニーリゾート、九州が続く。昨年のサミット開催で宿泊を手控えられた反動がある伊勢志摩や、レゴランドなど話題性豊富な飛騨・東海が伸びている。海外旅行は昨年同様ハワイ、グアム、台湾の順。香港・マカオやシンガポールといった近場のアジアの伸びが目立つ。