旅行事業拡大へ期待 神姫しらさぎ会が総会、受入も支援誓う
神姫バスグループ(兵庫県姫路市)協定の宿泊・受入施設でつくる神姫しらさぎ会(岩﨑元孝会長=鳥取県三朝温泉・依山楼岩崎、294会員)はこのほど、同市の姫路キヤッスルグランヴィリオホテルで2017年度総会を開いた。今年創立90周年を迎え、旅行事業拡大へ様々な手を打つ同社に対し、受入側として支援強化で応える形で飛躍を誓った。
同会顧問で神姫バスの長尾真社長は、16年度の業績を報告した。グループ全体では、売上高は前年度比1・5%増の455億円、経常利益は7・6%減の30億円。賃貸収入の増加があったものの、人件費の増加や新車購入などがあり、増収減益となった。
貸切バス事業は経常利益1億円を計上したものの、前年度の貸切バス運賃制度の改定で増えた反動で減益に。神姫バスツアーズが行う旅行事業は取扱高70億円で、同2・5%減。インバウンドのFIT化による需要減などがあり、両事業合計では黒字だが旅行事業単体では再び赤字に転じた。
ただ、長尾社長はこれに対し「想定内」だという。昨年10月には豪華バスツアーによる国内ツアーブランド「真結(ゆい)」をスタートさせ、インバウンドでは専用バスも含めたブランド「LIMON」を投入、昨年4月にはタイ・バンコクに営業所を開設。来年4月には大阪で旅行企画・販売事業を始める計画で事前に「大阪マーケティング室」を開設するなど、事業拡大へ立て続けに先行投資を進めているためだ。
長尾社長は現在が貸切バス、旅行事業の「大きな転換点」と表現し「大団体の受注がめったになく、インバウンドで受入のスタイルも変わった今、大手旅行会社と中小の差はあまりないと考えている。要は皆さんに対しいかに誠実に仕事し努力しているか。『真結』も大手と競争だが、車両からスタッフまですべて自前でやっている以上、負けたら私たちの怠慢。お気づきの点は厳しく指導していただきたい」と、自信を示すと同時に、同会会員に支援を呼びかけた。
岩﨑会長はあいさつで、「少子高齢化の時代であっても神姫バスのマーケットは大きく心強い。事業拡大にも積極的で将来に期待が持てる」と同社の姿勢に好印象を示した。
議案審議ではいずれの議案も可決。今年度は情報交換会や個別商談会の開催、同会会員専用ウェブサイトの運営や増販キャンペーンなどに取り組む。創立90周年記念として8月にタイへ研修旅行も行った。
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