「十石舟」乗船、過去最高に 京旅協、協定機関との懇談会で報告
京都府旅行業協同組合(上原龍男理事長=アートツーリスト)はこのほど、京都市中京区の京都ホテルオークラで「協定機関との懇談・交流会」を開き、260人が出席した。
上原理事長は「旅行業は情報産業だと思う。本日お集まりの皆さんはいろいろな情報を得てビジネスにつなげてほしい」とあいさつ。
このあと組合事業の現状報告があり、9月5日の時点で組合員は49 人で、8月までのクーポン発券額が9億4200万円(前年同期99.1%)であることなどを報告した。
券種別では宿泊券、観光券とも伸び悩んでいるが、貸切バスなどの船車券は一昨年から始めた貸切バス閑散期キャンペーンの効果もあり、120件増の114.8%と好調に推移した。2014年から始めた8人以上が対象のユニットプラン「京旅まる得ユニットプランおすすめの宿」について、上原理事長は「今年も引き続き協力を」と呼びかけた。
岡崎さくら・わかば回廊十石舟めぐりは3月25日から5月7日までの44日間運航で2万570人が乗船し、これまででもっとも多い乗船者だった。
利用客が多かった理由については(1)例年より30分早めて朝8時からの運航にしたこと(2)ウェブ事前予約システムが好評で、散策ツアーやオプショナルプランを含め期間中2557件、6696人(このうち203件、613人が外国人観光客)が利用したこと―などと分析。
また例年は桜の開花時が終わると乗船者数が激減する新緑時期の誘客を強化。4月15日以降を「岡崎わかば回廊十石舟めぐり」に名称を改め、のぼりや法被をピンク色から緑色に着替えてイメージアップし、親子割引などの価格帯を設定して集客したことが功を奏した。
続いて行った講演会は元プロ野球選手で、現在は関西圏のテレビ局を中心に野球解説者を務める佐野慈紀さんが「すべては自分次第―いいときも悪いときも自分次第 自分と向き合い観光業界を盛り上げよう」を演題に講演した。
佐野さんは「10割を打てる選手はいない。4割も打てない。どうやっても3割が限度だが、10割を打つための練習をしなくてはいけない。今年44歳になるイチロー選手は、毎年、やらなくてはいけない練習が増え続け、それを継続しているから今も現役を続けている。自分自身の可能性をあきらめない姿勢がすごい」と称賛。
会場の参加者には「皆さんの仕事は世知辛い世の中にあって、旅行者の思い出をつくったり、笑顔にさせる力がある。自信を持って仕事に励んでほしい」とエールをおくった。
このあとの商談会では高知県や和歌山県など受入機関が設けたブースを京旅協組合員が熱心に回って情報収集し、交流を深めた。懇親会には京都府の山田啓二知事、京都市の門川大作市長も出席した。
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