重大事故対応を支援 全旅保険の新制度、旅行災害補償に標準設定
一般社団法人全国旅行業協会(ANTA)は4月1日から、指定代理店である「全旅保険」が取り扱う旅行災害補償制度に「重大事故支援制度」を標準でセットした。旅行会社の重大事故対応を包括的に支援する。
新たな補償制度は、ANTAと損害保険ジャパン日本興亜が共同開発。事故対応の専門家のアドバイスを受けながら、スムーズにお客対応ができる保険で、ANTA会員が扱う国内・海外の企画旅行(募集型・受注型)、国内の手配旅行を対象に危機管理と危機対応ができるよう制度設計を行っている。
旅行業法では(1)死亡者の発生した事故(2)10人以上のけが人が発生した事故(3)10人以上が巻き込まれたテロ・大規模自然災害・ハイジャック(4)社会的影響が大きいと旅行会社で判断したもの―を重大事故として定義。
新しく追加された重大事故支援制度は、旅行業法で定義された重大事故に対応。事故発生時に事故対応専門会社で危機管理コンサルティングを行う安全サポート株式会社のチームが事故現場やANTA会員事務所に急行。旅行会社が行うべき対応を細かくサポートする。
安全サポート株式会社の担当者が必要な期間、事務所に常駐するほか、事故対応のための臨時雇用の人件費、被災者の救援費用や家族の現地入り費用、宿泊費、食事代、弁護士への相談費、マスコミへの記者会見の会場設営と会見手配といった諸費用を新しい支援制度で補償する。
重大事故発生時に保険の対象となるのは1事故で1人以上が死亡した場合や、1事故で1人以上が通算で3日以上入院した場合。支払限度額はそれぞれ1千万円と100万円。掛け金は1旅行者あたり19円を加算。
ANTAでは「今回の制度は全旅協旅行災害補償制度に加入した会員すべてが利用できる。緊急事故発生時に、万全な体制ができた」とし、ANTA会員の保険利用拡大に期待している。
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