京王観光、大阪支店を閉鎖 JR乗車券不正行為で
京王観光(越水陽太郎社長)は4月25日、1月に発覚した団体旅行におけるJR乗車券の不正行為について、調査結果を公表した。不正金額はデータの残っている2007年4月以降で110件、約6千万円。JRから請求された損害賠償額、不正金額の3倍にあたる1億8100万円を5月末まで支払い、社長以下役員の減俸、不正のあった大阪支店の閉鎖などの処分を決めた。
不正は、団体旅行の際に実際の参加者よりも少ない乗車券を発券、足りない分は回数券を発行するなどして、実際の参加者数に満たない料金を支払ってきたというもの。大阪支店と大阪西支店、福岡支店で長年にわたり横行。不正に得た金額は払戻金として利益に計上していたほか、個人で着服することもあった。
不正は1990年代前半には行われていたといい、大阪の両支店では東京の支店への対抗意識から、利益目標の達成に向け、不正の土壌ができあがったという。大阪地区では他地域への転勤がなく、この風土が継承されることも要因になった。
処罰としては、社長を含む役員の月額報酬を10—30%減俸。不正に関わった社員の解雇も検討する。
再発防止策としては、各支店・営業所の統括管理部門の新設、大阪地区の人事刷新をすでに実施。今後は大阪支店の閉鎖をはじめ、営業管理システムの一新、ジョブローテーションのルール化、コンプライアンス教育の徹底などを講じる。
同社は、JRへの賠償に加え、すでにJRとの乗車券などの委託販売を契約解除されていることなどから、2019年度は赤字に転落する見込み。
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