訪日客30%増 エクスペディア調べ、ラグビーW杯開催地の上半期宿泊動向
Expedia Group(エクスペディアグループ)は3日、9月20日から約6週間にわたり日本で開催される国際的スポーツ大会(ラグビーワールドカップ2019)の開催地12都市の上半期国内宿泊動向(対象期間:2019年1月1日~6月30日)を調査した。訪日外国人の宿泊需要は前年同期比30%増、国内需要は同40%増と好調に推移し、開催前にも関わらず国内外から高い注目を集めていることが分かった。
調査は、9月より日本で開催される国際的スポーツ大会開催地 (東京都、札幌市、釜石市、熊谷市、横浜市、袋井市、豊田市、東大阪市、神戸市、福岡市、熊本市、大分市)における 2019 年 1 月 ~ 6 月のホテル需要を、前年同期と比較した Expedia Group のデータに基づいて実施。
来場者数は約200万人、海外からは60万人!開催都市の盛り上がりに期待
9月から日本で開催される国際的スポーツ大会は、全国12会場(東京都、札幌市、釜石市、熊谷市、横浜市、袋井市、豊田市、東大阪市、神戸市、福岡市、熊本市、大分市)で実施される48試合、最大180万人の来場者数が見込まれている。三井住友DSアセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストによると「観戦チケット販売が世界的に好調だったことを受けて、ラグビーワールドカップへの海外からの予想来場者数は40万人から60万人に上方修正した。とりわけヨーロッパからの観戦者が多いことが予想されている。大会に寄せる世界の関心は日々高まっている。多くの来訪者が開催都市の周辺地域を観光する可能性も十分考えられるため、周辺エリアへの経済効果も期待できる」と、熱気の高まりに期待が寄せられている。
開催地12都市の宿泊需要は、2019年上半期から好調に推移
Expedia Group上半期における9月より日本で開催される国際的スポーツ大会開催都市の宿泊動向を調査したところ、海外からの宿泊需要は前年同期比30%増と好調に推移。居住国別に見ると、韓国、香港、中国といったアジア圏からの旅行者が多くを占めている。国内需要についても前年比40%増と好調に推移しており、中でも福岡と大阪は、前年比50%増と大幅に拡大している。
経済効果を支えるのは、ラグビー強豪国からの旅行者。早期検索ボリュームも伸長
一方、需要を大きく押し上げたのは、ラグビー人気も高い強豪国、オーストラリア、フランス、イギリス、アイルランドなどのロングホール(長距離国際線利用)旅行者。アジア圏旅行者と比較すると、ロングホール旅行者の予約時期は1.5倍早く、宿泊費は5~10%増、宿泊日数も1日増という結果となった。中でも、アメリカ、アイルランド、イタリアからの旅行者は支出額が最も多く、1日あたりの平均宿泊費は、アジア圏旅行者を10~20%上回っている。また、Expedia Groupサイト上で9月より日本で開催される国際的スポーツ大会開催期間にあたる開催地宿泊検索ボリュームを調査したところ、前年比+30%と伸長。早期から開催地の宿泊需要が高まっている事が分かった。なお、宿泊検索数の上位はアメリカ、イギリス、オーストラリアが占めている。
ロングホール旅行者の予約動向
東京、大阪、横浜は、アメリカ、オーストラリア、カナダからの旅行者が急増
開催地では、東京、大阪、横浜の人気が高く、この3都市を訪れる外国人居住国は、アメリカ、オーストラリア、カナダが急増、全体の3割を占めている。また、神戸、熊本も、外国人旅行者が前年比10~30%増と好調に推移している。宿泊単価は大分県が最も高く、他都市の2倍にあたる1泊あたり29,000円となっている。
予約のタイミング、宿泊金額に顕著な違い
開催地の宿泊状況において、日本人旅行者と外国人旅行者を比較調査したところ、予約から宿泊までのリードタイムは、日本人の20日前予約に対し、外国人旅行者は40日前に予約している。また、平均宿泊日数は日本人が1.5泊に対し、外国人が3泊、宿泊金額は、日本人が平均1万円(1泊)に対し、外国人は1.5万円となった。
「宿泊施設にとって需要、収益を押し上げる絶好の好機」
エクスペディアホールディングス代表取締役、ロッジング パートナー サービス日本・ミクロネシア地区統括本部長 マイケル ダイクスのコメント「9月より日本で開催される国際的スポーツ大会は日本の宿泊施設にとって、拡大する需要に応え収益を押し上げる絶好のチャンスになると見ている。メジャーなイベントは開催地の来訪者数、ホテル宿泊料に多大な影響を及ぼしている。旅行業界に押し寄せるこうした波に適切に対処することは、ホテル経営者にとって決して容易ではない。我々はパートナー施設の皆様と密接に関わり、施設のビジネスニーズに応じた在庫プランを戦略的に考え、イベントの前と開催中の収益を最大化していただけるよう力を合わせていく」
エクスペディアグループからのアイデア3点
1.マーケットが破綻するほど高い料金設定をしない
9月より日本で開催される国際的スポーツ大会に向けて需要増が見込まれているが、開催前、開催中、開催後、それぞれの料金を異なる旅行者層を考慮して詳細かつ戦略的に設定してほしい。高額な料金設定をすれば、見込み客が離れてしまう可能性もある。Expedia Group® Partner Central (PC) の無料ツール、REV+ を利用すれば、リアルタイムの公開料金による予約データとマーケットの需要予測に基づいて戦略的に料金を設定できる。
2.国内からの旅行者も忘れずに
国内からの旅行者は、平均 20 日前に宿泊施設を予約する。Partner Central の「施設の分析」を活用して在庫のパフォーマンスを常に把握してほしい。キャンセルがあった場合、施設は「当日予約プロモーション」「モバイル プロモーション」を使い、旅先から予約する可能性が高い地元の旅行者に向けて販売促進を行うことができる。
3.最低宿泊数とキャンセルポリシーの見直し
ピーク期は、宿泊施設の需要予測が難しい。ですから最低宿泊数を設定して、なるべく長い日数の予約を確保したい。ロングホール旅行者の予約のタイミングは他の旅行者より早い傾向がある。キャンセルポリシーを厳しくすることにより、早い時期から確実に旅行者を確保することができる。
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