エクスペディア、AISGとAIソリューションの共同開発を発表
Expedia Group は9月10日、 AI Singapore (AISG)の主要プログラム「100 Experiments (100E)」で、 アジア人旅行者のオンライン検索を変える人工知能 (AI) ソリューションの開発を同社と共同で行うことを発表した。
アジア言語での旅行検索クエリの理解度や検索結果の精度向上へ
AISG と 100E で協力する最初のオンライン旅行プラットフォームである Expedia Group は、 アジア言語での旅行検索クエリの理解度や検索結果の精度を向上させるため、 経験豊富なエンジニア、 データサイエンティスト、 マーケティング担当者からなるチームを編成し、 AISG のプロジェクトリード、 プロジェクトマネージャー、 AI 実習生と連携して取り組みを進める。AI ベースのモデルを開発し、 日本語での検索クエリの理解度と検索結果を向上させたうえで、 このモデルを適用して他のアジア言語でのオンライン検索の効率向上を図る。
インターネット利用者の 25% がオンライン上で英語を使用している。現在の検索エンジンは、 極めて効率的に英語での旅行検索クエリの理解と検索結果の提供を行っている。しかし、日本語、 韓国語、 中国語 (簡体字および繁体字) などのアジア言語での旅行検索クエリになると、 検索エンジンのパフォーマンスは著しく下がり、 検索結果の精度も急激に低下している。
AI ソリューションの開発が完了すると、 Expedia Group はアジア言語での旅行検索クエリのパターンやアジア言語のニュアンスに対する理解を深めることが可能になり、 検索の精度や効率性を向上させることで、 アジア人旅行者のニーズをより満たせるサービスを提供できるようになる。
世界のオンライン旅行売上の40%はアジアが占めるように
「アジア太平洋のすべての地域で、 オンライン旅行予約の消費額は急激なペースで拡大している。 2020 年までに、アジア太平洋地域は北米およびヨーロッパ西部を上回り、 世界のオンライン旅行売上の 40% 以上を占めることが予想されている。言語処理研究は英語に重点が置かれており、 アジア言語の検索クエリにおける効率性を高める AI ソリューションを向上させるには、 機械学習や自然言語処理などの技術を活用する必要性があると、 Expedia Group は考えている」と Kevin Ng (Expedia Group、 Product and Technology シニアディレクター) は述べ、 「AI Singapore との協力は、 適切なデータ、 技術、 人材を収集できるだけでなく、 検索クエリの理解度を向上させる AI ソリューションを開発し、 アジア人旅行者のオンライン検索を変え、 利用者のニーズをより満たせるサービスの提供を長期にわたって可能にする」と続けている。
「Expedia Group と協力して取り組む AISG の 100E では、 成長を続けるアジアのオンライン旅行市場においてアジア言語での検索クエリをより的確に理解するために、 機械学習を活用する。 さらに、 Expedia Group と機械学習ソリューションにおいて協力し、 共同で開発を行うと共に、 AI Apprenticeship Programme を通して Singaporean AI のエンジニアの養成を行う」と Laurence Liew (AI Singapore、 AI Industry Innovation ディレクター) は話す。
Expedia Groupは世界規模の旅行プラットフォームだ。 7,000人以上を超えるデータアーキテクトやAIエキスパート、 専門的なエンジニアがいるExpedia Groupでは、 AISGと協力しあうことで業界をリードする新たなAIソリューションを世に送り出し、 オンライン旅行を更に改善し、 アジアの言語で旅行を探す多くの人々に対しより世界を身近にする可能性があるものと考えている。 AISG、及びに、シンガポールにいる世界クラスのテクノロジータレントと一緒に協力し合っていくことを大変楽しみにしている」と Mark Okerstrom (Expedia Group、 代表取締役社長兼最高経営責任者) は語る。
AISG の主要プログラム「100E」は、 課題の解決に AI の活用を希望する企業と、 その課題の解決に興味を持つ現地の研究者をマッチさせるプログラム。 これまで、 100E プログラムは業界の大きな関心を集めてきた。 2017 年の創立以降、 AISG には 100E プログラムへの参加に関心を持つ 300 社以上の企業から連絡があり、 40 のプロジェクトが承認され発足している。 一部のプロジェクトは 9 カ月間の研究と開発後に完了し、 成果が利用されている。
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