JATA関西支部と大阪税関が金、テロ物資の密輸防止に覚書
日本旅行業協会(JATA)関西支部と大阪税関は11月29日、テロ関連物資や金地金の密輸防止などに向けた覚書を締結した。急増するインバウンドや、来年開催の東京オリンピック・パラリンピックなど国際的なイベントが相次ぐことを見据えて、情報共有や水際での対策を徹底することで合意した。
JATA関西支部と大阪税関は1994年1月に、不正薬物や銃器の密輸防止に関する覚書を締結していたが、今回新たに消費税の脱税を目的とした金地金やテロにつながる物資の密輸防止などにも範囲を拡大した。
大阪税関で行われた覚書締結式で、大阪税関の中山峰孝税関長は「今年10月の消費税増税で、金地金のインセンティブが高まった。関西国際空港に非常に多くの外国人が押し寄せるようになり、テロ物資や不正薬物等の密輸も含めて官民一体で防止策を強化しなければならない。JATA関西支部との間で大きな効果を発揮することを期待している」。海外との接点が多く、結びつきも強い旅行会社からの情報提供、課題や問題点の解決へ向け共同して取り組んでいくことを強調した。
JATA関西支部の宇田川雄彦支部長(JTB執行役員関西広域代表)は「会員への周知に努めたい」と述べた。
大阪税関によると今年度上期、不正薬物の密輸事案は覚せい剤(前年同期比)を中心に大幅に増えている。金は下がっているものの、2014年4月に5%から8%に増税された際に大幅に増加したことから「今回も同様に懸念している」としている。外航クルーズ客船の寄港増加、旅客に扮しての密輸の増加なども今後増えることが予想され「密輸も、特殊詐欺と同様にあの手この手でやってくる。海外に精通している旅行会社からの情報提供が大きな摘発につながるケースは少なくない」としている。
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