旅行取扱7割減、旅行会社「厳しい」9割 JATA会見、新型コロナで政府に要望
日本旅行業協会(田川博己会長、JATA)は3月26日、東京都千代田区の同協会会議室で定例会見を開いた。新型コロナウイルスの感染拡大、自粛要請の影響で苦境に立たされている旅行会社各社の業況が示された。
主要旅行会社50社の旅行取扱額は3、4月ともに前年比で3割程度にとどまり、毎月3千億円の仕事が消え、旅行消費額では1・5兆円の消失が見込まれるという。
3月25日時点での会員旅行会社各社への新型コロナによる影響調査結果では、全体の35・3%が「とても厳しい」、33・5%が「厳しい」、21・4%が「少し厳しい」と、経営状態の厳しさを示した企業は全体の9割強に上る。「特に問題はない」は9・8%。
種別でみると、1、2、3種ともに厳しい状況だが、「とても厳しい」は1種の30・3%に対し、3種はほぼ半数の45・2%と、1種より2種、2種より3種のほうが切迫している状況がうかがえる。
この旅行会社の急速な経営悪化を受け、JATAが3月17―18日に自民党、公明党の与党両党へ行った要望について、会見で坂巻伸昭副会長(東武トップツアーズ社長)が説明した。要望した5点は次の通り。
(1)経営継続支援の強化…雇用調整助成金の助成率を東日本大震災時と同様レベルに引き上げ。支給限度日数を100日から200日へ
(2)観光業界による自主的な感染防止策を条件に、旅行・イベントの自粛要請を解除
(3)修学旅行を中止ではなく延期での実施と学校側にキャンセル料が生じる場合の財政支援
(4)旅行需要の消失を取り返せるような大規模な需要回復キャンペーンの実施
(5)国際交流復活へ出国時の検温、健康チェックなどの国際的な仕組みづくり
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