年末年始の旅は「ニューノーマル時代の安近短」 JTBが調査
JTBは、年末年始(12月23日―2021年1月3日)に宿泊旅行で出かける人の意識調査をまとめた。新型コロナウイルス感染防止への意識の高まりで、従来の「安近短」ではなく、「安心安全」「近場」「近しい関係・短期間」の「ニューノーマル時代の安近短」がこの年末年始のトレンドのようだ。
年末年始の国内旅行動向予測は、旅行日数は「1泊2日」が30・8%が最多。次位は「2泊3日」が25・2%だが前年より2・5ポイント減少し、短縮化傾向にある。
旅行先は「関東」が21・6%でトップだが、前年より3ポイント減少するなど都市圏は伸び悩んでいるよう。近畿、東海、九州と続き、いずれも前年より伸びている。
同行者は「家族づれ」61・6%がトップ。前年より3・6ポイント減少した。「ひとり」が20・7%で前年より3・7ポイント増加するなど、できるだけ少人数で動く傾向にあるようだ。
1人あたりの旅行費用は「1万円―2万円未満」23・3%に続き、「1万円未満(21.5%)」が前年より4・8ポイント増加した21.5%で続く。3万円以上が減少しており、費用は控えめに。
利用交通機関は最多の乗用車が増え、新幹線や高速・長距離バスははっきりと減少。利用宿泊施設は「旅館・ホテル・民宿・ペンション」が増加した反面、「夫や妻の実家」が減少。感染防止から実家を避ける傾向もみられる。
いずれの結果からも、旅行に出る際は感染防止を優先するという意識が見てとれる。
旅行における新型コロナ感染防止への配慮は「コロナ禍の旅行で特別に考慮すること」についてのアンケート結果からも。「家族・親族や親しい友人以外には会わない」「公共交通機関を使わずに自家用車やレンタカーを使う」「少人数の旅行にとどめる」「人が多数移動する時間を避ける」「感染者数が増加傾向の地域は避ける」などの対策が高い回答率に。旅先も、旅先と居住地が同じ地方の比率が高く、「マイクロツーリズム」を意識した旅の浸透がうかがえる。
また、年末年始に出かける場所として気になるのは「買い出しが楽しめる場所」が最多で、「話題の商業施設やアウトレットモールなど」も上位になるなど、例年と異なりショッピングが優先のようだ。
JTBの宿泊・国内企画商品の予約状況からは、Go Toトラベル効果で好調だったが、コロナ再拡大で12月7日時点では前年を10%下回っている。1月4日以降は前年並みで、旅行先としては、やはり近隣エリアが人気。三密を回避したサービスを提供する高価格帯の小規模旅館や、海や湖、山岳地域にあるリゾートホテルが好調のようだ。都市部は全国的に回復が遅れているという。
調査は11月17―19日、全国の15―79歳の男女を対象にネットアンケートで実施。本調査回答数は1697。
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