6割が卒業旅行「予定せず」、コロナ禍の影響大きく クルックが調査
コロナ禍で苦難が続く観光業界にあって、直近の需要の波は「卒業旅行」。世界で旅行・体験予約プラットフォーム「KLOOK(クルック)」を展開するクルック・トラベル・テクノロジー・リミテッド(本社・香港、日本法人本社・東京都渋谷区)が今季、卒業する学生を対象に実施した卒業旅行の実態調査では、2―3月の旅行は6割が「予定していない」と回答。本来ならここから春の旅行シーズンへ加速していくところだが、緊急事態宣言が続く現状では、業界がこの波に乗ることも難しそうだ。
2―3月の卒業旅行を予定しているのは33・7%にとどまり、60・9%が予定せず。3人に1人しか旅行に行かないのは、なんともさびしい結果だ。
旅行に行かない理由は、やはり「新型コロナの感染防止」が59・7%、緊急事態宣言の延長」が32・8%と大多数。「お金がない」「世間の目が気になる」「家族や知り合いに止められている」などが続き、仕方がないとはいえコロナ禍は大きさはさまざまな側面から「出控え」を強制させているようだ。ちなみに、「コロナ関係なく予定がない」は11・9%にとどまる。
コロナが落ち着くなどして4月前への旅行については、「半分あきらめている」26・4%、「完全にあきらめている」22・6%、「もう行くつもりはない」39・6%と、今季の需要消失を感じさせる結果に。
本来なら行きたかった方面はヨーロッパ、大阪、北海道、東京、京都の順。学生からはこの現状に対し、「仕方がない」という意見も多い一方、「学生最後の大事なイベントがなくなり悲しい」「卒業旅行のために貯金していた」などの声もあり、旅行者にとってもコロナ禍が与える“悲しみ”の大きさが伝わってくる。
では、卒業旅行を予定している学生たちの実情はどうだろう。予算は「3万円未満」が16・3%、「3万円以上5万円未満」と「5万円以上7万円未満」が18・9%。人数は「2人」が21・6%、「3―4人」が29・7%と比較的少人数が過半数。一方で「5―6人」も29・7%あり、1人旅が2・8%にとどまったことを考えると、せっかく行くなら友人でワイワイという卒業旅行らしい思いが垣間見える。
方面は「北陸・東海」や「大阪」が「東北」などが上位に。全体的に地方へという意向が強いようだ。
調査は3月に卒業する学生110人を対象に、2月5―8日にインターネットで実施した。
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