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日本旅行、中計見直しで抜本的構造改革 ウェブ販売へのシフトや異業種連携、コスト削減

21/03/18

日本旅行(堀坂明弘社長)は、コロナ禍からの再起をかけ、2020年度から始めた中期経営改革の見直しを行う。旅行産業が大打撃を受け市場が激変、JTBやKNT―CTが構造改革に着手するなか、これに追随。ビジネスモデルや組織、コスト構造の見直しに踏み切り、ウィズ・アフターコロナ環境での生き残りと成長を図る。

中期経営計画「TRANSFORM 2025」は25年度までの6カ年で、20年度は22年度までの基盤整備を図る「フェーズ1」と位置付けていた。しかし、国内は低迷、海外、インバウンド各市場は需要が消失するという未曽有の事態に襲われ、20年度決算は大幅な赤字に。市場環境は将来にわたり大きく変化が見込まれ、早期の業績回復、環境変化の対応を図るため計画の大幅な見直しを迫られることになった。

計画の見直しは旅行市場が「コロナ禍以前には戻らない」「ウェブ需要の拡大と店舗需要の縮小」「企業関連需要は当面厳しい」ことを前提に策定。21―22年度を構造改革期、23―25年度を発展成長期と位置付け、強化分野と縮小分野を明確化させて抜本的構造改革に取り組んでいく。企業ビジョンも従来の旅行代理店業から、「顧客と地域のソリューション企業」への転換を目指すことをうたった。

21年度からの構造改革期は、ウィズコロナでの生き残りとビジネスモデルの変革がテーマ。運営体制やコスト構造もスリム化へ舵を切る。

事業構造は、需要拡大が見込まれ、収益性の高い分野に集中させるほか、異業種連携や非旅行業分野への取り組み、JR西日本グループとの連携、オリパラや大阪・関西万博など大型イベントへの取り組みを強化する。そのなかでJRセットプランのウェブ販売やアライアンスパートナーとの共創、DX、地域との連携を軸に据えた事業戦略を展開する。

個人旅行は、ウェブ販売に営業軸を転換。「赤い風船」のウェブ販売比率を19年度の38%から25年度には70%に上昇させることを目指す。

これに伴い、店舗は20年度末の194店を22年度末には半数以下となる約90店まで削減し、ウェブ販売との連携や着地対応、コンサル営業を推進する場となる。

JRセットプランの強みを生かした戦略も展開。OTAや地域の旅行会社とのウェブアライアンスを進めるほか、商品開発などあらゆる面でJR西日本との連携を強化する。

法人営業は、アライアンス企業とのソリューションビジネスへ軸足を移す。ソリューション分野の収益シェアは19年度の47%から25年度には70%まで上げることが目標。パートナー企業との連携へ「事業共創推進本部」も設置する。地域の営業拠点は集約、大都市と大規模拠点化を進め、各地域では着地対応などに集中させる。個人、法人ともに営業にはデジタル技術の活用をこれまで以上に進めていく。

インバウンド部門は現況から体制を縮小するが、中長期的な成長分野としての位置づけは変えず、MICEや富裕層などの市場拡大に備える。海外企画商品も縮小し、添乗員付き商品は欧州に特化。多方面はウェブ販売へ転換する。

これらの体制変更にあわせ、人員は22年度の新卒採用見送りや出向などで22年度には19年度の7割まで縮小。テレワーク推進や、システムコストの見直しも行い、22年度までに100億円規模の経費削減を見込む。

日本旅行

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