GW「旅行に行く」は10人に1人、緊急事態宣言再発出でさらに厳しく JTB調査
JTBは4月22日、今年のゴールデンウィーク(GW、4月25日―5月5日)の旅行に関する意識調査結果を発表した。例年実施している旅行動向は新型コロナウイルス感染拡大が収束しない状況から今年は旅行推計を行わず、意識調査にとどめた。旅行に「行く」は10・3%で、例年の4人に1人から今年は10人に1人まで減少。調査は4都府県に4月25日から緊急事態宣言が再発出されることが検討される前のもので、宣言発出で旅行者はさらに減ることが予測される。
GWの旅行に「行く」と回答した10・3%を正年代別にみると、男女とも若い世代をほど高く、年齢が上がるにつれ下がる傾向がある。コロナ禍前は「行く」が25%前後で推移していたことを考えると観光業界にとっては厳しい状況だが、旅行に行かない理由に「コロナがまだ収束していない、拡大の懸念があるから)」63・9%が最多となるなどコロナ禍の現状を冷静に捉えている消費者の姿が浮かぶ。
旅行に「行く」と回答した人を対象に本調査を実施。出発日は暦通りの5連休初日「5月1日」25・8%、旅行日数は「1泊」が39・2%で最多。3泊までの旅行が8割以上で、旅行に行っても日数は控えめだ。
旅行先は「関東」20・5%、「近畿」13・7%、「東海」11・1%の順だが、緊急事態宣言再発出で結果は変わるだろう。居住地別に旅行先を見ると域内旅行の割合が全国的に高く、年末年始と比べてもその傾向は強まっている。
同行者は「子供づれの家族旅行」25・3%で最多く、「夫婦のみ」「母娘、三世代など」を加えると家族旅行で過半数を占める。「ひとり」が2019年比で5・2ポイント増の19・5%となっているのもコロナ禍の影響だろう。
利用交通機関は「乗用車・レンタカー」65・0%でトップで、公共交通機関を避ける傾向に。利用宿泊施設は「ホテル」38・2%が最多だが、19年の53・3%からは大きく減少している。
コロナ感染が増加傾向にある中で、旅行で特に考慮したことは「公共交通機関を使わずに自家用車やレンタカーを使う」「少人数での旅行にとどめる」「家族・親族や親しい友人以外には会わない」「感染者数が増加傾向の地域は避ける」「人が多数移動する時間を避ける」「部屋食や個室で食事ができる施設を選ぶ」の順。
今後のコロナの状況では「今より感染者数が増えた時点で旅行は中止」は8・1%、「状況・条件によっては旅行を中止(43.5%)」が43・5%。「状況に関係なく当初の予定通り」は31・8%だが、緊急事態宣言発出で状況は変わるはずだ。「状況・条件によっては旅行を中止」と答えた人も「緊急事態宣言が出されたら中止」が6割を占めるなど影響は大きいと予測される。
JTBの宿泊・国内企画商品の予約状況は20年比は上回ったが、19年比は25%にとどまる。今年は東京、京阪神、沖縄は避け、居住地域や近隣エリアへの旅行が中心となっている。
調査は4月9―14日、インターネットで実施。全国の15―79歳の男女個人、事前調査では2万人、本調査では1535人から回答を得た。
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