国スポ・障スポの事業受託に意欲 2つの滋旅協が連携
株式会社滋賀県旅行業協会(北川宏代表取締役=旅助)は5月25日、草津市のクサツエストピアホテルで第11期定時株主総会を開いた。昨年開設したホームページを活用する会員サポートの充実、KTT滋賀クーポンの電子化などに取り組むなど事業計画を決めた。2年続いた書面表決から3年ぶりにリアル開催の総会となった。
北川社長は冒頭のあいさつで「我々旅行業界にとって深刻な状況が続き、想定できなかったほど需要が減少しました。少しずつ動き出してきたものの生活様式も大きく変わり、特に法人旅行はまだ回復しないと思います。ただ県民割が行われ、ブロック割も動き始めています。新Go Toトラベルキャンペーンも再開することを見据え、我々としても観光再生に向けて動き始めたい」と述べた。
また、協会の業績について「ほとんど事業ができずクーポン、保険とも大きな影響を受けました。その中で収入確保の取り組みを進め、一社(一般社団法人滋賀県旅行業協会)とともに滋賀県の『安全安心な観光バスツアー助成事業』を受託しました。コロナ前の6割ほどでしたが、主軸事業のお買い物ツアーには600人に参加いただきました。旅行事業がままならない中、会員の皆さんの収益につなげるため物販事業も始め15社に参画いただいた」などと報告。「協会に入って良かったと思ってもらえるよう、皆さんにとともに事業を推進したい」と話した。
2022年度事業については、25年に滋賀県で開催される国スポ(国民スポーツ大会)・障スポ(全国障害者スポーツ大会)の関連事業を大手旅行会社とJVを組んで受注できるよう準備を始めることも決めた。
総会後、全旅西日本支社の池上聡支社長が会員サポート事業を説明。今年4月から始めたイベント受付管理・精算システム「全旅マルっとペイ」について、修学旅行の受注、催行を例にシステム導入を勧めた。
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一般社団法人滋賀県旅行業協会(加納義之会長=トラベルメイトサービス、75会員)の第10回定時総会も同日に開かれた。株式会社と同様に25年開催予定の国スポ・障スポの取り扱いに向け、県などの準備委員会との連携強化に努めるとしたほか、昨年度に続き会費を1万円減額することなどを決めた。
加納会長は「この2年数カ月、本当に厳しい状況で事業を続けてこられた皆さん。感染対策をしながら経済を回していくウイズコロナの新しい時代に変わっていきます。旅行のニーズも代わり、我々は対応していかなければなりません。経済の回復基調が本格化し、旅行需要の回復を期待したい」と述べた。
来賓の滋賀県商工観光労働部観光振興局シガリズム推進室の辻良介室長は、三日月大造知事のメッセージを代読。今年3月に策定したシガリズム観光振興ビジョンについて「滋賀ならではツーリズムとして地域の観光資源を磨き上げ、選ばれる滋賀、県民が誇れる滋賀県を実現し、観光需要の回復を図るべくしっかりと取り組んでいきたい」と話した。
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