地域活性化を事業の柱に 京旅協、第40期総会で明記
京都府旅行業協同組合(京旅協、森野茂理事長=アルファトラベル、51組合員)の第40期通常総会が5月31日、京都市上京区の京都ブライトンホテルで開かれた。コロナ禍の逆風下にも関わらず、40期は行政や観光関連団体から地域活性化などの事業を受託したことが奏功、当初見込みを100万円以上上回り黒字決算となった。
森野理事長は冒頭のあいさつで「ゴールデンウイーク以降、旅行需要が徐々に回復してきましたが、我々中小旅行業者にとってはまだまだ厳しい状況です。それでも、組合はなんとか黒字を達成することができました。本当にありがとうございました」と述べた。
また森野理事長は21年のクーポン取扱高について、コロナ前に比べて85%マイナスが続いたものの、今年4月の発行高が3千万円、5月は同6千万円とコロナ前の50%ほどにまで回復しているとした。
組合の基幹事業の一つ「十石舟めぐり事業」は、桜の開花時期に限定した運航だったものの、3年ぶりに乗船客数1万人を突破。乗船効率については過去最高率を記録し収益増につなげた。京都市と連携し実施している「じも旅京都キャンペーン」、京北商工会から受託したグリーンツーリズム事業などについても、コロナ禍における組合事業として新たな基盤づくりの方向性を見い出したとした。
2022年度事業計画についてはクーポン事業、協定機関増強、十石舟に続き「地域の観光業・農林業活性を目的とする行政委託事業の取り組み強化」を4本目の柱として明記。人口減少など地域の課題解決につなげる交流人口創出事業を京都府や京都市などから受託することを目指す。
クーポンについては発券システムの改善を図るほか、取次クーポンの精算サイクルの変更を検討する。十石舟は、サステナブルツーリズムを組合として推進する立場から、船舶エンジンの電動化を視野に研究を始める。
森野理事長は、こうした事業を通じて「組合をまだまだ伸ばしていきたい」と意欲を示した。
3年ぶりの開催となった懇親会で、京都市の門川大作市長は「感染防止と人間力回復」をアフターコロナの課題とし「観光課題解決都市」づくりに協力を呼びかけた。京都府商工労働観光部の野口礼子観光政策監察官も「観光を入口とした京都の活性化」に組合の役割を期待していた。
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