先行き不透明も…国内旅行再開ムードで19年比6・5%減まで回復 JTBの夏休み旅行動向
JTBがまとめた夏休み(7月15日―8月31日)の旅行動向の見通しによると、1泊以上の旅行に出かける人は前年比75・9%増の7050万人の見込み。海外旅行は低迷したままだが、国内旅行の復活が進み、コロナ前の2019年比では6・5%減まで戻ってきそう。高まる旅行再開の機運が背景にあるが、急速に再拡大してきたコロナ感染が水を差す可能性もある。
今期は世界各国で入国制限緩和が進むなか、日本でも徐々に旅行再開の動きが。国内旅行では県民割や、動向が注目される全国旅行支援など旅行需要喚起策もあり、社会的には旅行に出かけやすい環境が整ってきた。
一方で、円安などからくる物価上昇が家計に暗い影を落とす。家計に与える打撃は大きく、支出控えも懸念されるが、同社のアンケートからは旅行支出の意向が前年より高い結果に。コロナ禍への我慢からの解放と先行きの不透明感のバランスをとりながらも旅行に出かけたいという消費者心理があるようだ。
国内旅行人数は同75%増、19年比3・3%減の7千万人と国内旅行需要は回復が顕著。国内旅行平均費用は同7・6%増、19年比2・7%減、総額は2兆4850億円と予測され、久しぶりにまずまずの活況となりそうだ。
旅行の傾向は緊急事態宣言などが発出されていた昨年と比べ、遠方へ長期間、同行者は家族から友人・知人に拡大、目的はテーマパークやレジャー施設などが増加傾向。敬遠傾向だった公共交通機関の利用も増える見込みだ。方面は関東、近畿、東海、九州、北海道の順。
海外旅行は同455・6%増の50万人だが、19年比では83・0%減と本格的な回復には至らない。ハワイなどへのパッケージツアーが一部で再開されたもののアジアへの入国は依然厳しい。入国時の手続きの煩雑さもあり、海外旅行にスムーズに出かけられる環境はまだ整っておらず、アンケートから消費者心理としても消極的なようだ。
調査は1030人のアンケート結果とJTBグループの販売予約状況などから推計した。
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