旅行社の枠越え連携 JTB、KNT、日旅の旅連が冬の山陰誘客へキャンペーン
島根県と鳥取県のJTB・近畿日本ツーリスト・日本旅行の各協定旅館ホテル連盟支部と両県観光連盟が連携し、山陰両県における冬の誘客キャンペーン「大好き!しまね・とっとり」を展開している。3者6支部がタッグを組んだもので、協定旅行会社の枠を越えて合同で誘客キャンペーンを実施するのは全国でも珍しい取り組み。1月下旬に大阪市内、2月中旬には広島県府中市でキャンペーンを告知するキャラバン活動を展開した。
キャンペーンに参画したのは、JTB協定旅館ホテル連盟島根支部(皆美佳邦支部長=玉造温泉・佳翠苑皆美)と同鳥取支部(宇田川英二支部長=皆生温泉・皆生つるや)、KNT―CTパートナーズ会島根支部(井山径支部長=玉造温泉・玉井別館)と同鳥取支部(中島伸之支部長=はわい温泉・望湖楼)、日本旅行協定旅館ホテル連盟島根支部(勝谷有史支部長=松江しんじ湖温泉=なにわ一水)と同鳥取支部(伊坂明支部長=皆生グランドホテル)。各支部の会員がほぼ同じメンバーであり、冬の閑散期対策や他地域に負けない魅力創出など山陰両県の課題解決を共有した上で、従来にない販売促進策として3者6支部の会員が同意した。
具体的には、山陰両県の主要マーケットの関西・中国エリアの店舗販促を展開。店頭や販売店などリアルエージェントならではの島根県・鳥取県の魅力を来店客に直接伝えるとともに、6支部会員旅館ホテルの宿泊プランを申し込むと1人1泊あたり1千円の館内利用券をプレゼント。館内利用券は宿泊先での追加飲食や売店での土産品購入などに使え、全国旅行支援とも併用できるようにした。先着6千人、3月17日宿泊分まで。
1月28日には大阪・梅田、翌29日には天王寺でキャラバンを実施。宿泊施設と観光地案内のサンプリング、クイズ大会などを行い約300人が訪れた。2月18日にはイオンモール広島府中で、島根県の観光キャラクターしまねっこも登場しキャンペーンをPRした。
因幡の白兎など今年の干支の卯にちなんだスポットを抱える山陰両県では「美肌とご縁」(島根県)、「開運巡りやサウナ」(鳥取県)などテーマを掲げて誘客活動に取り組む。特に個人旅行対策として二次交通や観光施設を割安で利用できる「しまねパーフェクトチケット」や「トリパス」を設定、県内回遊や滞在時間の延長を促している。加えて、学生旅行やZ世代を含む若年層の取り込みとしてSNSの配信特典も展開している。
6団体を代表してJTB旅ホ連島根支部の皆美支部長は「JTB、近畿日本ツーリスト、日本旅行の3社がベクトルを合わせ山陰エリアへの誘客は初の試みですが、両県観光連盟の協力も仰ぎ推進できたことで新たな誘客活動モデルとして山陰エリアをPRしたい。リアルエージェントとの連携によりDXを通じた販促強化策も推進したい」とし、今後も3社は各会員と課題を共有しながら山陰の誘客活動に注力していく考えを示した。
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