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旅行取消などの影響も 近ツーの自治体への過大請求問題、最大約16億円の疑い

23/05/12

新型コロナウイルス関連受託業務における自治体へ過大請求していた問題で、近畿日本ツーリスト(髙浦雅彦社長)は5月2日に記者会見を開き、緊急社内点検の途中経過を明らかにした。髙浦社長は86の自治体などから受託した事業で最大約16億円を過大請求した疑いがあるとした。また、過大請求発覚以降、一部で旅行キャンセルが起こるなど本業の旅行事業にも影響が出ていると話した。

緊急社内点検は、2020年4月以降の762自治体などから受託した2924件の事業を対象に実施。その結果、ワクチン接種のコールセンターの人件費などについて仕様書との差異があり過大請求であると判明したのは16自治体に上った。東大阪市の3億3600万円を筆頭に大阪府の4800万円、静岡県焼津市の4600万円など総額で5憶8400万円と算出した。

また、社外取締役や外部の専門家らで4月17日に設置した調査委員会において「物品1個単位、人数1人単位」(同社)にまで精査したところ、十分な証憑が得られないものの総額が最大約10億円になると見積った。

今後、自治体などと相互確認を行い、過大請求額を確定させ早急に返納していく。

髙浦社長は、社員の法的知識の乏しさや営業目標を達成しようとする意識が原因とする一方で「あってはならない事態を起こした。1日も早く全容を解明し公表します」と話し「監督責任を痛感しています」と謝罪した。組織ぐるみの取り組みとする質問に対しては否定した。

旅行事業に関しては、新型コロナの5類への移行など需要の回復基調に水をさしたとして「旅行業界に対しても申しわけない。信頼回復をしていかなければ」とし、自社の旅行事業について「個人、団体旅行の一部に影響が出ています。影響を最小化するよう努力したい」と述べた。

近畿日本ツーリスト

記者会見で謝罪する髙浦社長(中央)ら
近ツー幹部(オンライン画像)

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