課題はやはり人手不足 JATA、インバウンド受入の意識調査結果まとめる
日本旅行業協会(髙橋広行会長、JATA)は10月11日、インバウンド旅行客の受入に関する国内の受入事業者の意識調査の結果をまとめた。課題などを抽出、今後の受入拡大につなげる。
調査は今回が第1回目。8月に輸送、旅行会社、自治体らを対象に行い、1094件の回答を得た。その結果から注目の観光コンテンツやインバウンド受入に関する課題、大阪・関西万博の関心度などをまとめた。
インバウンド客数の戻り具合は、2019年比で26%が50%未満、23%が90%程度と回答。19年を超えたのは7%にとどまった。国内旅行も含めるとコロナ前の水準まで戻っているのは15%だが、インバウンドよりは戻りは早いようだ。
インバウンド客の多い時期は紅葉の秋、桜の春がいずれも36%で突出。年末年始やクリスマス、中国国慶節などの時期の注目も高い。受入予定の旅行客は個人59%、団体55%と拮抗している。
コロナ禍を経て新しい、または注力している観光コンテンツはサステナブルツーリズムが29%でトップ。以下、ガストロノミー、アドベンチャ―ツーリズム、酒ツーリズム、農泊・町屋泊、ワーケーションと続く。
インバウンド重点市場は、台湾を中心に東アジアが重要視されていたが、コロナ禍を経て、将来を見据え東南アジアや欧米も東アジア並みに力を入れる回答があり、市場の拡大・分散化の傾向にあるようだ。
インバウンド客受入の課題については、受入再開後の課題は64%が人手不足や人材不足と回答。やはりこれが最大の課題と認識されている。人材不足の要因は賃金待遇や労働環境などが主要因。不足している職種ではドライバー・バスガイドがトップで、営業・販売、マーケティングなども上位に。
そのほか、交通インフラ整備、多言語対応といった従来通りの課題も根強い。人員不足による受入準備や観光コンテンツ、アピールの不足、海外とのギャップなどを指摘する声も。
将来的に受入を拡大させるための条件は、人手・人材不足の解消はトップだが、国・政府の支援や国際線地方路線の拡充、自治体の広域連携の拡大など行政の取り組みを求める声が増加している。
大阪・関西万博については、これを契機にインバウンド観光客のさらなる誘客を検討しているのは32%と、契機となることの周知が必要な数値に。だが関西に拠点を置く事業者の意欲は高めだ。
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