年末年始の国内旅行人数は19年比4・3%減の2800万人 JTB旅行動向見通し
JTB(山北栄二郎社長)は12月5日、年末年始(12月23日―1月3日)の旅行動向見通しを発表した。1泊以上の旅行に出かける人は対前年比5・0%増、コロナ前の2019年対比5・0%減の2858万人。国内旅行はコロナ前とほぼ同水準まで、海外旅行も徐々にではありながら回復が進み、業界にとってはまずまずの年末年始になりそうだ。
コロナの制約がほぼ解消されているが、景気の不透明感、物価の高止まりなどから暮らし向きの厳しさは相変わらず。JTBが実施したアンケートからは消費者意識として収入の良化傾向から支出への前向きさがうかがえるものの節約志向もあり、支出へのメリハリを求める傾向にあるようだ。旅行への支出は増加意向が前年より2・2ポイント増、減少意向が8・4ポイント減とまずまず意欲旺盛といえそう。
国内旅行人数は同3・7%増、19年比4・3%減の2800万人の見込み。今年の年末年始は日並びがいいとはいえず、1月6―8日の3連休に旅行をする可能性もあり、19年をやや下回ると推計した。国内旅行総消費額は同14・9%増、19年比22・6%増の1兆1480億円。物価高や旅行需要の拡大、インバウンドの回復、サービス業の人手不足の影響などによる旅行関連費用の高騰で調査開始以来最高となった。
国内旅行先は、関東がもっとも割合が高く24・7%、次いで近畿の16・2%。都市圏を中心に人気というわけではなく東北や北陸なども前年を上回る見込み。JTBの予約状況では同15%増・関東は東京ディズニーリゾート(TDR)、近畿はユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)がけん引するなどテーマパークが今期も強い。利用宿泊施設は同4・0%増のホテル、同8・1%増の旅館が好調だ。JTBでは「旅行日数の長期化、同行者が友人・知人に拡大などコロナ禍前に戻りつつある」と分析している。
海外旅行人数は同160・1%増、19年比29・9%減の58万人。海外旅行総消費額は同139・6%増、19年比22・9%減の1288億円。海外の物価高や円安、燃油サーチャージ増額などの影響から旅行日数は短期、近距離のアジアが主要目的地となっている。定番のハワイもまずまずで、遠距離のヨーロッパも一定の人気を保っている。
調査は11月13―16日にインターネットで実施。全国15歳以上79歳までの男女1万人を対象に事前調査を行い、旅行に出かける意向を示した1930人が本調査で回答した。
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