“コンプラ”徹底を JATA総会、髙橋会長が再び強調
日本旅行業協会(JATA、1143会員)は6月19日、東京・丸の内の経団連会館で2024年度総会を開いた。
髙橋広行会長(JTB会長)は冒頭のあいさつで「コロナ以降、雇用調整助成金やコロナ関連の国や自治体からの受託事業で不正請求など複数の不祥事が発生したのに続いて、最近は会員旅行会社が公正取引委員会から排除措置命令を受けるなど、旅行業界の信頼は著しく傷つきました。会員には心配と迷惑かけお詫びします」と陳謝した。
その上で「有識者委員会を設置し再発防止策を実施しています。経営トップに伝えたいのは、コンプライアンスはすべての業務に優先するということです。不正事案一掃にトップが率先して取り組んでほしい」と経営意識の改革を呼びかけた。
髙橋会長は昨年の総会でもコンプライアンスの徹底で信頼回復に決意を述べ、この1年、会員に対するアンケートの実施などで不正事案の把握に努めてきた。ただ、今年5月30日には、青森市が発注したコロナ患者移送業務でJTBを含む大手旅行会社5社が談合していたとして、公正取引委員会から独占禁止法に基づき排除措置命令を受けている。
来賓の観光庁の髙橋一郎長官(7月1日付けで退任)は能登半島地震の被災者受け入れ対応、北陸応援割への協力に感謝を示しながら「不正受給、談合など不正が相次いで発覚したことは遺憾で、二度とないように協会が先頭に立って再発防止策を着実に進めてほしい。信頼回復のためコンプライアンスの徹底を求めると同時に、観光庁としても再発防止を監督していく」と要請した。
総会では23年度の事業報告と決算を承認したほか、すでに理事会で承認されている24年度事業計画と予算を確認した。任期満了に伴う役員改選では髙橋会長ほか、すべての副会長、理事長、事務局長を再任した。
このうちコンプライアンスに関する取り組みでは、会員各社とJATA双方で取り組むこととし、このうちJATAとしてはすでに実施しているものも含め①支部組織の見直し②コンプライアンス推進室と通報窓口の設置③懲戒規定の制定④受託事業や経営者向けの研修⑤有識者委員のフォローアップーなどを継続して行う。会員に対し取り組み状況の報告も複数回求めていく。
また海外・国内・海外旅行の活性化への取り組みで、特に海外旅行復活へ向けた活動としては、今年が海外旅行自由化60周年や日米観光交流年に当たることから、これらの周知やプロモーションを実施していく。
9月26―29日に東京・有明の東京ビッグサイトで開催する「ツーリズムEXPOジャパン2024」については、2025年の大阪・関西万博の機運を盛り上げるイベントとして「未来に出会える旅の祭典」をテーマに実施する。
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