国内旅行は前年並み、海外旅行は緩やかに回復 JTB年末年始旅行動向見通し
JTB(山北栄二郎社長)は12月5日、年末年始(12月23日―1月3日)の旅行動向見通しを発表した。1泊以上の旅行に出かける人は対前年比0・2%増、コロナ前の2019年対比5・2%減の2852万人。国内旅行はほぼ前年並みながらコロナ前を割り込み、海外旅行は徐々に回復のスピードを上げ、市場は一進一退の状況となっている。
JTBが実施したアンケートでは、旅行に行くと回答した人は前年から1・2ポイント減の18・6%。若年層の意欲が高めとなっている。旅行に行かない理由は旅行費用の高さや家計の余裕のなさを挙げる割合が高くなり、経済的な課題が影響しているようだ。
国内旅行人数は前年並み、19年比4・3%減の2800万人の見込み。コロナ前の水準に回復、物価高、日並びのよさなどが相殺しあって前年並みと推計した。国内旅行総消費額は同6・3%増、19年比22・0%増の1兆3460億円。物価高や旅行需要の拡大、インバウンドの回復、サービス業の人手不足の影響などによる旅行関連費用の高騰で今年も調査開始以来最高を更新した。
国内旅行先は、関東がもっとも割合が高く24・2%、次いで近畿の17・9%、東海11・2%。注目するスポットは国立公園や花畑など自然、東京ディズニーリゾートの順で、初詣やご利益、初日の出スポット、動物園や水族館が前年より増加している。
海外旅行人数は同13・0%増、19年比37・1%減の52万人。海外旅行総消費額は同20・6%増、19年比15・0%減の1420億円。同社の旅行予約状況では遠方はハワイやシンガポール、オーストラリア、ヨーロッパ、近隣は台湾、グアム・サイパンが人気だという。
調査は11月12―15日にインターネットで実施。全国15歳以上79歳までの男女1万人を対象に事前調査を行い、旅行に出かける意向を示した1764人が本調査で回答した。
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