物価高騰で需要伸び悩み、国内旅行は前年割れ JTB・GW旅行動向見通し
JTBは4月3日、「ゴールデンウイーク(4月25日―5月7日、GW)の旅行動向見通しをまとめ、発表した。1泊以上の旅行に出かける人の総数は対前年比6・9%減の2345万人。海外旅行は回復傾向にあるものの、国内旅行が物価高騰などの影響を受け伸び悩み、全体として前年割れとなる見込みだ。
今年のGWは5月3―6日の4連休を中心に、合間に休みを入れると最大11連休となる旅行には適したシーズンになるが、アンケートではGWに旅行に行く意向は前年から5・6ポイント減の20・9%と旅行意欲は低下。若年層ほどこの傾向は強く、混雑回避や費用の割高さ、家計に余裕がないなど経済的な理由がその要因となっている。旅行へ行くと回答した人は、旅行先について前年より遠方へ旅行したい意向が増加している。
国内旅行は、旅行者数が同7・2%減の2290万人、旅行平均費用が同1・4%増の3万6600円、総旅行消費額が同6・0%減の8381億円。旅行人数は物価高騰や家計の事情、混雑回避などを理由に減少となる見込み。
旅行先は関東が前年から2・2ポイント増の22・3%で最多。近畿、九州と続き、地震の影響で減少していた北陸も前年をやや上回る。旅先を選んだ理由は「行きたい場所がある」が最多。「混雑してなさそう」が増加するなどオーバーツーリズムを意識した旅先選択の傾向もみられる。同社の旅行予約からは東京ディズニーリゾートの東京、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの関西、ジブリパークの東海などテーマパーク人気が目立つ。沖縄など航空機利用の長距離方面も好調だという。
海外旅行は、旅行者数が同10・0%増の55万人。19年比では45・2%減と本格回復には遠いが、徐々に回復している。旅行平均費用は同0・4%減の26万8千円、総旅行消費額は同9・6%増の1474億円。
旅行先は韓国、台湾、東南アジア、ハワイ、ヨーロッパの順。近距離が人気だが、 遠距離のニーズもまずまず。同社の旅行予約でも韓国、台湾、ハワイ、ヨーロッパが好調だが、ヨーロッパではイタリア、スペイン・ポルトガル、フランスが人気。

GWの海外旅行先で人気の台湾。
写真は、代表的な観光スポット九份
調査は、各種経済動向や消費者行動調査、運輸・観光関連データ、JTBグループが実施したアンケート調査(1846人が回答)などから推計した。対象期間は今年から従来の4月25日―5月5日から、4月25日―5月7日に変更した。
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