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25年3月期は増収増益 KNT―CTホールディングス、DMCで地域共創推進

25/05/29

KNT―CTホールディングスは5月13日、2025年3月期(24年4月1日―25年3月31日)の決算を発表した。売上高は前年比7・5%増の2745億1600万円、営業利益は同16・9%減の60億4千万円、経常利益は同15・1%減の67億7600万円、当期純利益は同1・9%増の76億8千万円だった。

次期の連結業績予想は、売上高が8・6%増の2980億円、営業利益が同7・6%増の65億円、経常利益が同7・7%増の73億円、当期純利益が同11・5%減の68億円の増収減益を見込む。今後は従来の国内・海外旅行を中心とした事業ポートフォリオに加え、「地域共創事業」「訪日旅行事業」を成長領域として定め、取り組みを一層強化する。

今期の国内個人旅行は、北陸新幹線延伸や恐竜人気に沸く福井県や年末の伊勢志摩方面が人気のエリアに。クラブツーリズムでは、にっぽん丸や飛鳥・といった大型客船のチャータークルーズを催行し好評だった。団体旅行では、近畿日本ツーリストが企業系コンベンションなどの法人需要や修学旅行等の学生団体の需要を獲得した。

海外旅行は、クラブツーリズムによるヨーロッパ方面や外国船クルーズ、アメリカへの野球観戦ツアーが好評。団体旅行では、近畿日本ツーリストがパリオリンピック・パラリンピックの観戦、メキシコ皆既日食観測ツアーなど、趣味に特化した旅行に注力した。

訪日旅行は、クラブツーリズムで昨年9月に多言語対応の訪日客向けグローバルサイト「YOKOSO JAPAN TOUR」を公開。海外個人顧客のツアー申込から決済までをワンストップで処理できるようにした。特に香港・台湾からの客を中心に、紅葉観賞の日帰りバスツアーなどが好評だった。近畿日本ツーリストでは、陸上競技の大型国際大会や東京マラソン2025関連の取扱いが好調に推移した。

このほか、クラブツーリズムでは、テレビ東京ダイレクトとの協業で、今行くべき旅や楽しみ方を案内する新番組「教えて!ツアーの達人」の放送と関連するツアー販売を今年1月から始めた。

今後は、これまでも注力してきたコンプライアンス改革諸施策を通じた内部統制システムの一層の強化や、企業風土改革などに取り組む。また、従来の国内・海外旅行を中心とした事業ポートフォリオに加え、新たに「地域共創事業」「訪日旅行事業」を成長領域として定め、取り組みを一層強化、加速する。

地域共創事業では、地域に根を張ったDMCとして、包括的な観光サービスの提供を目指して取り組んでいく。

訪日旅行事業では、海外から日本への送客を強化するため、ヨーロッパ等での海外事業拠点の設置を予定し、グローバルネットワークの再構築を進めている。

16日に開かれたIR説明会で、小山佳延社長が昨年5月に策定した新中期経営計画に触れ「コンプライアンスに終わりなしを合言葉に、引き続き企業風土改革を進めていく。市況には不透明感があるが、訪日、地域共創を成長領域として加速するとともに、個人旅行事業の一体化を通じてグループ運営の一層の効率化を推し進めていく」と話すとともに、新たな価値提供を追求していくことを強調した。

KNT―CTホールディングス

「訪日、地域共創を成長領域として加速する」
と表明する小山社長

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