「鉄旅ここにあり」鉄道各社が周遊きっぷや旅行商品で需要回復策 JR西日本「どこでもドアきっぷ」など
コロナ禍で離れたままの乗客を呼び戻そうと、鉄道各社が需要回復策を展開している。今までになかったようなお得な周遊きっぷや旅行商品、鉄旅の魅力発信まで秋冬に向けた企画が次々に登場。コロナがやや落ち着き始め、東京がGo Toトラベルの対象となるなど、にわかに旅行需要が高まり始めた今、「鉄旅ここにあり」を高らかに宣言する―。
例年、JR、私鉄ともに秋の企画きっぷを発売、紅葉など秋の周遊を促しているが、今年も例年に増して各社力を入れている印象だ。
なかでも注目は、JR西日本が9月18日に発売した「どこでもドアきっぷ」。その名が示す通り、映画「ドラえもん のび太の新恐竜」「STAND BY ME ドラえもん2」とのタイアップ企画なのだが、JR西日本に加え、JR四国、JR九州の西日本3社の全線が3日間乗り放題、しかも新幹線や特急も含めた全列車の自由席が対象となるというスケールの大きな周遊きっぷになっている。料金は平日2万円で、土休日は1万8千円と1にち6千円で利用できるという安さが魅力だ。
2日間乗り放題券もあり、対象エリアはJR西日本全線。平日1万5千円、土休日1万2千円。2日間、3日間券いずれも指定席が6回利用できるのもいい。
発売は12月17日まで。利用は10月1日―12月25日。
また、JR東日本は新幹線を半額に。8月20日に始めた「お先にトクだ値スペシャル」はネット申し込み限定企画で、来年3月末日まで、管内の新幹線全方面が半額で乗車できる破格な企画を設定している。
鉄道利用の旅行商品ではJR東海ツアーズが9月29日まで販売している「ひさびさ旅割引」が注目を集めた。首都圏や静岡、中部、関西各エリアを往復できるもので、定番商品「ぷらっとこだま」と違い「のぞみ」にも乗車できる。価格は日帰りプラン、関西―東京で1万5200円と通常のほぼ半額。Go To対象のため関西―横浜なら9620円と驚くような価格設定だ。さらにホテル宿泊や連泊などの設定もあり、もはや旅をするなら新幹線を使わないと損な気すらしてくる。
そのほか、地方鉄道では、JR東日本盛岡支社と三陸鉄道、IGRいわて銀河鉄道、青い森鉄道の岩手県と青森県の鉄道4社が連携して地元ローカル鉄道の旅の魅力を発信するプロジェクトをスタート。サイトを開設、動画も作成するなどして鉄旅による北東北への周遊を促していく。
各社発表の新幹線・特急の利用状況を見ても前年比3割程度で“下げ止まり”状態。もちろん「新しい旅のエチケット」が浸透してこそだが、旅情豊かな鉄道の旅の復活なくして本当の旅行需要回復はならない。
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