JR四国が商品説明会 アンパンマン列車に新車両登場
JR四国は5月19日、大阪市北区のホテルグランヴィア大阪で商品説明会を開き、旅行会社の企画担当者ら150人が出席した。
JR四国専務取締役鉄道事業本部の長戸正二本部長は「アンパンマン列車は四国内で地域ごとに異なる6種類のデザインで運行していますが、2000年から運行を始め今年で25周年を迎えます。お子様に非常に人気がある列車で、今年秋には高徳線でも新しいアンパンマン列車がデビューします」と述べ、25周年記念に合わせた新企画を提案していくとした。
また特急「しおかぜ」の団体利用で1席あたり1千円の特別販売奨励金を出すツアー支援や、特急と観光列車に乗って四国を楽しむ「四国一周鉄道旅」の企画を実施することも伝えた。
JR西日本鉄道マーケティング部の岡田学部長は、大阪・関西万博開幕後の鉄道事業は好調としながら「万博終了後の旅行需要喚起に向けた取り組みを強化する考えを示し「各地域の皆様としっかりと連携しながら魅力あるコンテンツを準備し、商品造成に結びつけていきたい」と語った。

京阪神の旅行会社の企画担当者ら
150人が参加した説明会
このあとJR四国を含めた各県市の担当者が最新情報を紹介した。
愛媛県はしまなみ海道サイクリングや常滑渓谷のキャニオニング、西日本最高峰の石鎚山の登山とトレッキング、大洲城の城泊や日本三大鵜飼のひとつ肱川の鵜飼、道後をはじめ県内温泉地をアピール。元日本国有鉄道総裁で新幹線の父と称される県出身の十河信二氏を主人公にしたドラマ化をNHKに働きかけていることもアピールした。
徳島県は、歴史・文化体験として徳島市の「阿波花火と阿波遍路で巡る文化体験ツアー」と脇町の「うだつあがる町並みで和文化体験 着物・お茶体験」、自然体験として三好郡の「『にし阿波』傾斜地集落の暮らし体験」と海部郡の「みなみ阿波サステナブルツアー」を紹介。また、鳴門市で阿波踊りや釣りなどを楽しめる「tonaru SETO/SHIMADA」、電車とバスの一体型車両に乗車する「DMV+1ツアー」などについても説明した。
香川県は、瀬戸内国際芸術祭2025が現在開催中であることをアピール。夏会期は8月1日―31日、秋会期は10月3日―11月9日で、今年は過去最多の作品が展示される。アート関連では五色台にある瀬戸内海歴史民俗資料館、坂出市の県立東山魁夷せとうち美術館、丸亀市の稲熊弦一郎現代美術館など、県内に点在するアートと建築、美術館巡りの利用を呼びかけた。加えて、今年2月にオープンした1万人収容の県立アリーナ「アナウケアリーナ香川」も紹介した。
高知県は、現在放送中のNHK連続テレビ小説「あんぱん」のモデル、やなせたかしさんと小松暢さんゆかりの地を紹介。やなせさんが生まれた香美市のやなせたかし記念館には、アンパンマンミュージアムと詩とメルヘン絵本館があり、やなせさんが育った南国市には幼少期を過ごした柳瀬医院跡地なども。現在、観光博覧会「ものべすと」を開催中でやなせさんに関連するイベントなどが開かれている。
松山市は昨年7月に保存修理工事を終えて全館営業を再開した道後温泉本館をアピール。脱衣場や休憩室すべてに冷暖房が完備されたほか新しく貸切室が設けられ、今年10月から26年2月までアート事業として「蜷川実花with×道後温泉DOGO ART」を開催する。温泉と郷土料理を味わえるナイトパスの発行や着物で茶道の作法や座敷文化を体験できるプランも用意している。
四国ツーリズム創造機構は鉄道旅行商品造成の支援施策や「夏に楽しめる涼しい四国のスポット認知・誘客キャンペーン」の実施を発表し、利用を呼びかけた。
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