トコジラミ流行の兆し 対策迫られる旅館ホテル
10/12/14
アメリカ、オーストラリア、イギリスなど、諸外国でトコジラミが再流行している。
1960年代に、有機塩素系殺虫剤DDT(現在は使用禁止)が広く使用され、アメリカをはじめ先進国では、トコジラミはほぼ根絶されたと考えられていた。ところが99年ごろからトコジラミの被害が、中級クラス以上のホテルから再び報告され始めた。旅行者の荷物に紛れて持ち込まれたことが原因だ。それから10年でトコジラミは驚異的な速度で拡大した。
今では、全米50州でトコジラミの発生報告があり、ホテルだけではなく学校、オフィスビル、病院、公共輸送や映画館などあらゆる施設へと広がっている。
トコジラミの被害はベッドや家具の廃棄などの経済損失と、睡眠中に刺咬される不安から不眠症になる精神被害がある。ホテルでトコジラミに吸血され、または自宅へ持ち帰って吸血された宿泊客が、ホテルを相手取り損害賠償を求める訴訟も起きている。中にはインターネットでの書き込みにより、宿泊客を得られなくなったホテルもある。
他国での過去数年間のトコジラミの広がり方を見れば、諸外国からの旅行者の多い日本でも警戒が必要と考えられる。すでに、駆除マニュアルの作成や対策用具の導入を始めたホテルもあるようだ。