東北地方太平洋沖地震・福島県旅ホ組合、被災者受入可能施設リスト作成に着手
11/03/14
東日本大地震(東北地方太平洋沖地震)の被災者に宿泊先を提供しようと、福島県旅館ホテル生活衛生同業組合は受け入れが可能な組合員旅館ホテルのリストづくりを始めた。同組合は2011年9月に福島県との間で「災害時における宿泊施設の提供等に関する協定書」を交わしており、初めての発動となる。
同旅館組合によると、「福島県からは被災者受け入れの正式な要請は届いていないが、要請があり次第対応できる準備をしたい」としている。協定によれば宿泊費用は福島県が負担する。
福島県内の組合加盟旅館ホテルは約650軒。このうち津波の被害が大きかった相馬市、南相馬市、双葉町など相双地区には約130軒があり、連絡の取れない旅館ホテルも多い。
一方、福島市や郡山市、二本松市など「中通り」と呼ばれる地域でも震度6弱から震度5強の揺れがあり、宿泊客や従業員が被災したという報告はないものの、建物や設備の破損などの被害が出ている。また、これらの地域では水道が止まっているエリアもあり、重油やガソリンなどの燃料、食材の供給がないことから、実質的に営業休止している旅館ホテルもある。
同組合では、現在こうした地域や被害の少なかった会津エリアの旅館ホテルに受け入れの可否についての問い合わせを進めている。
佐藤精寿事務局長は、「現状では食事を出せないなどの懸念がありますが、高齢者や障害者を優先に、できるだけ多くの人に宿泊先を提供できるよう、受け入れ旅館ホテルのリストの作成を急ぎたい」と話している。