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【東日本大震災】宿泊客、従業員の避難見届ける 岩手・波板観光ホテル 山﨑龍太郎社長

11/04/19

3月11日、宿泊客や従業員が無事避難したことを見届けた後、津波に巻き込まれ行方不明になった旅館経営者がいる。岩手県大槌町の浪板観光ホテル社長、山﨑龍太郎さん。

陸中海岸国立公園の中でサーフィンのメッカとして知名度のある浪板海岸に面し、太平洋のオーシャンビューが売り物のホテル。10日から、秋田県の老人クラブ一行が滞在していた。

地震が起きたとき一行43人は、館内のホールで人気企画の大衆演劇を観劇中だった。津波警報が発令され、従業員は43人を高台に誘導。多くは浴衣に半てんなど着の身着のままで避難した。それから間もなく、巨大な津波が押し寄せた。高さ約15メートルのホテル2階まで達したという。

宿泊客、従業員全員は無事だった。しかし山﨑さんの姿だけがない。最後の最後まで、館内に誰も残っていないか確認していた。

山﨑さんが協力会の会長を務めている東海予約センター大長征勝社長は「真面目を絵に描いたような人がら」と山﨑さんを評し「3月23日に予定していた協力会総会について相談しようと何度も電話をしていました。状況が状況だけにつながりにくいのだろうと思っていたのですが」。

無事に避難した後、宿泊客の皆さんは従業員や地元住民の助けを得て公民館で過ごし、13日にはホテルのバスで秋田へ戻ることができた。従業員らの献身的な対応に、いま皆さんは「ご恩返し」として地元で義援金を集め、食料や水など支援物資を大槌町に送る活動を続けている。

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