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全旅連青年部・横山体制スタート 大震災被災地12県の年会費を免除

11/05/13

全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(全旅連青年部、1600部員)は4月20日、東京・平河町の都道府県会館で2011年度総会を開き、東日本大震災の被災県部員の今年度会費を免除することなどを決めた。東北ブロック、北関東信越ブロックと千葉県の12県の601人が対象で、青年部全体の3分の1以上にあたる。

12県(青森、秋田、岩手、山形、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、長野、千葉)については部員の年会費3千円を免除するだけでなく、各県が本部に納める5万円の固定会費も免除する。また、計画停電が実施された東京電力管内の東京、埼玉、神奈川、山梨、静岡の1都4県については本部への固定会費5万円をそれぞれ免除する。

年会費の免除は総額で265万円にのぼり、青年部では青年部基金880万円から500万円を今年度予算に繰り入れることで対応する。基金からは前年度も宮崎県口蹄疫被害見舞金として30万円が支出されている。

今年は青年部の任期1期2年の区切りとなる総会。東日本大震災で観光も大きな影響を受けるなか、井上善博・19代部長(42、福岡県原鶴温泉・六峰舘)が退任し、横山公大・20代部長(37、高知市・土佐御苑)のもと、2年間の新体制がスタートした。

井上部長は退任のあいさつで「福島、宮城、岩手を訪問してきましたが、胸の詰まる思いです。この2年、誇り、絆、友情を掲げて活動してきましたが、今こそ青年部としてなにができるのかを考え行動していきたい。今は苦しくとも、絶対に光は見えます。激動のなかスタートする横山新体制に、協力と支援をお願いします」と呼びかけた。

また、横山新部長は、「厳しい船出となりましたが、若い世代で観光の火を消さない活動をしっかりしていきたい。影響は2年では収まらないかもしれません。ただ、乗り越えられなかった試練はありません。後世に僕たちがしたことが語り継がれるような活動をしたい」と抱負を述べた。

横山全旅連青年部部長

新体制の抱負を述べる横山新部長

総会後に行われた県部長サミットでは、野澤幸司・新潟県旅館組合理事長が04年の新潟県中越地震と07年の新潟県中越沖地震の経験をもとに、「旅館ホテル業界の震災後の対応」について講演。特に、被災者を受け入れている旅館に対し、「キャンセルの穴埋めとしてではなく、人道的見地から心を持ってしっかり受け入れてほしい。それが旅館業界の信頼にもつながります」と要請した。

被災県青年部員からの状況報告もあり、大澤昌枝・岩手県部長(西和賀町湯本温泉・ホテル対滝閣)は、「青年部員26人中、全壊を含み5軒が被災しました。多くの先輩や仲間を失いました。1千年に1度の震災を青年部員の皆さんに見に来てほしい」と訴えていた。

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