独自ウェブを開設 国観連近畿支部、ネットAGTに対抗
国際観光旅館連盟近畿支部(西村肇支部長=西村屋ホテル招月庭)はこのほど、大阪市北区のホテルグランヴィア大阪で2011年度総会を開いた。ネットエージェントの寡占化に対する同支部主導のオープンウェブについて11月をメドに本格オープンする意向を示した。
オープンウェブ構想については、針谷了IT戦略部長(湯元舘)が説明した。針谷部長は「じゃらん、楽天トラベルがこれ以上シェアを伸ばすのを防ぎたい。自社ホームページでの予約を基本とすべきだ」とし、旅館ホテルが導入している予約エンジンの主要9社との連携が進んでいると報告。客室在庫を国観連のサーバーにアップし宿泊予約を手掛ける「数百のサイト」(針谷部長)に販売するとした。5月中にも稼動させる。半年間は国観連本部が予約手数料を負担し、会員施設の参画を促す。
また、全国に3671万人いるTポイント会員を取り込むべく、Tトラベルへの参画も呼びかけた。在庫登録すれば手数料無料で送客するもので、数百億円規模のTポイントを流通する対象に旅館ホテルを加えることで需要拡大が図れるとした。
東日本大震災の対応については、西村支部長が「近畿支部だけで義援金が1千万円に迫る勢い。被災した旅館ホテルの従業員受け入れも、近畿支部の皆さんが率先してやってくれている。近畿の底力を垣間見た思い。さらなる支援をお願いしたい」と呼びかけた。また青年グループが中心になって会員間の相互送客に取り組むフレンド会についても「こんな時期だからこそ、仲間内で協力してほしい」と要請した。
11年度事業では、これまで現地に赴いていたインバウンド誘致事業を東南アジアのマスコミやエージェントに来日してもらい、安全な日本をアピールすることを決めた。
そのほか、本部提出議題として(1)加盟旅館HPの多言語化(2)エコポイント型の国内旅行ポイント化による被災地旅行の推奨(3)公務員ボーナスの旅行券付与―などを働きかけるとした。
役員改選で4期目の支部長に再任された西村支部長は「震災対応など改めて人間関係が大切だと思い、もう1期務めさせていただくことにしました。倍旧の支援をお願いします」と話した。また針谷部長は本部のIT担当に替わり、朝野泰昌さん(朝野家)がIT戦略部長に就いた。
総会後、まちづくり観光研究所の山田桂一郎主席研究員が「選ばれ続ける地域とは」をテーマに講演した。
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