全国の旅館若旦那 南相馬市でうまいもん博
東日本大震災による津波や東京電力の原発事故による被災者を励まそうと、全国の若手旅館経営者が11月13日、福島県南相馬市で食や演芸のイベント「宿屋の若旦那大集合 全国うまいもん博覧会」を開いた。
会場の同市鹿島区にある鹿島生涯学習センターには、子どもから高齢者まで市民1200人以上が三々五々集まり、午後2時から約3時間にわたったイベントを楽しんだ。
会場に設営された屋台では、山形の芋煮、宮城の牛タン、栃木の餃子、群馬のイノシシコロッケ、新潟のレッド焼きそば、神奈川のチマキ、愛知の手羽先、福井のおし寿司、滋賀の近江牛カレー、京都の湯豆腐、香川の讃岐うどん、大分のキノコカレーなど、約40道府県の自慢の食が無料でふるまわれた。
各県ごとに200-400食分用意した料理は、早いもので約30分、イベント終了までには、ほぼすべてがなくなった。
イベントを主催したのは、全国の若手旅館経営者1600人が加盟する全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)青年部。今回のイベントには北海道から沖縄まで、全国の青年部員150人がボランティアで参加し、それぞれの屋台で調理や呼び込み交代で行い、会場を回って料理を配っていた。
また、ステージではお囃子の演奏や大道芸、地元の連による東北よさこい踊り、沖縄県の旅館経営者らによる沖縄民謡の演奏、ゲーム大会が延々続き、来場者を楽しませた。
イベントの開会式で、同地区を代表してあいさつした梅田栄一・鹿島区教育課長は、「震災から8カ月、辛い思いをしてきましたが、いつまでも辛いばかりでは生きていけません。元気なしに未来はありません」と話し、地域を元気づけようと全国から駆け付けてくれたことに感謝した。
これに対し、「僕たちになにかできないか、ずっと考えてきました。今日は笑顔と元気を伝えたくて集まりました」と話した、主催者の横山公大・全旅連青年部長(高知県)は、イベントの閉会時にもう一度あいさつ。
子どもたちと一緒に上がったステージで、「元気をもらったのは、僕たちでした。がんばろう、自分たちのできることでがんばろう」と自分自身と集まった仲間たちに向かって繰り返していた。