古都に旅館を学ぶ　国観連近畿支部、韓国訪問団に助言

韓国文化体育観光部と韓国観光公社、韓国吉邸文化財所有者協議会はこのほど、国際観光旅館連盟近畿支部を表敬訪問し、大阪市中央区の大和屋本店で情報交換会を開いた。

近畿支部からは西村肇支部長のほか、国際事業部の成世邦俊部長、増田友宏副部長、大和屋本店の女将・石橋利栄さんが出席した。

訪問団は「韓国には古宅（ハノク）という小旅館があるがインバウンドの誘致が盛んでなく、日本の旅館の取り組みを教えてもらうために来た」と今回の訪問の目的を説明。その上で「近畿支部の皆さんにお願いしたのは、近畿には京都や奈良など歴史や伝統に基づいた伝統文化があり、多くの外国人を魅了している地域であるからだ」と近畿を訪問先に選んだ理由を語った。

国観連側からは成世部長が「日本の旅館といっても様々な形態がある。国観連は外国からお越しになった人たちに泊まっていただくためにできた組織」と説明。

また、古宅が文化財として国から保護を受けていることに関して、増田副部長が「京都や奈良の旅館は国の補助を受けて営業しておらず、保護された中での営業とは業態が違う」と述べた。

石橋さんは京都の古い旅館では料亭として営業している事例を紹介。「古宅でも韓国の伝統料理を出してみては」とアドバイスした。

西村支部長は「多くの外国人観光客を受け入れるには、歴史ある施設であっても洋式トイレや空調の整備は不可欠である」と語り、改善するよう勧めた。