宿泊4団体、固定資産評価の見直し要望 自民党観議連も目指す方向
自民党観光産業振興議員連盟(細田博之会長=衆議院議員、髙階恵美子事務局長)は11月20日、自民党本部で総会を開いた。旅館ホテルの固定資産税評価について、経年減額期間の大幅な短縮を目指している宿泊団体の求めに応じて開かれたもので、総会では自民党観議連の総意として「固定資産評価額が下限に到達する年数を現行の50年より大幅に短縮する」ことを目指すとした決議を採択した。
総会には宿泊団体から全旅連(全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会)の佐藤信幸会長をはじめとする47都道府県理事長や青年部長、日本旅館協会の近兼孝休会長、日本ホテル協会、全日本シティホテル連盟の代表者らが必勝の鉢巻姿で出席。
佐藤・全旅連会長が宿泊団体を代表し「旅館ホテルの建物に係る固定資産評価の下限となる経過年数を現行の50年から36年に短縮するよう要望します」と国会議員団の理解と支援を求めた。
国会議員からは改正耐震改修促進法による耐震診断や耐震改修など、旅館ホテル業界の負担増大に配慮する観点からも、固定資産税の評価見直しによる負担軽減に理解を示す声が多く聞かれた。
旅館ホテルの建物に係る固定資産税については11年度の税制改正大綱で、観光立国推進の観点で15年度の評価替えで軽減する方向で見直すことが決まっている。
見直しで焦点となっているのが現行50年の経年減額措置の短縮幅。経年期間が短くなればなるほど、固定資産税の負担は軽くなる。
例えば評価額が下限となるまでの経年措置が現行の50年の場合と40年では、建築当初の資産価値が1千万円の建物の評価額はそれぞれ、10年後には840万円と800万円、20年後は680万円と600万円、40年後は360万円と残存額20%のみの200万円になる。負担軽減効果は年々大きくなり最大で44%減と大きな負担減につながる。
佐藤・全旅連会長は「我々が求めている36年に短縮できれば大きな経費の削減につながります」とたびたび話し、国会議員への陳情を中心として政治運動での目標達成に協力を求めている。