"行ってみたい"宿づくり リョケン、兵庫・金波楼で旅館大学
リョケン(佐野洋一社長)はこのほど、兵庫県城崎日和山温泉のホテル金波楼で、平成25年度旅館大学セミナーを開いた。
セミナーは佐野社長による基調講演「経営環境の変化とその対応」からスタート。佐野社長は冒頭「金額が張る商品が売れており、景気は戻ってきている」と指摘。「バブルがはじけて、接待需要が激減し、団体旅行が急減、ネットが広まって20年になる。この20年で消費者の生活スタイルが変わった。市場と客が世代交代しているなかで、旅館の経営者は高度成長期と安定成長期のやり方を変える新しいビジョンを描けなければいけない」と話した。
また経営資源と商品資源の再編成や、これまで当たり前だったことの見直し、より高い商品価値・満足を考える上昇志向の必要性を訴えた。
続いてホテル金波楼の今津一也常務取締役支配人が「行ってみたいホテルのために―ホテル金波楼の取り組みに学ぶ」を演題に講演。今津常務は、1934年に同館を建設し91年に大型投資を実施、ホテル金波楼としてリニューアルオープン後、2006年から再度ダイニングのリニューアル、10年には「渚の館 時じく」をオープンしてきた推移を説明。「お客様から行ってみたいと思っていただける旅館、お客様に笑顔になっていただくために私たちができること。これらを考えていくと、我々の旅館の売りは何かということになり、今後、社員とお客様の声に耳を傾けながら旅館づくりを進めたい」と話した。
リョケンの塩越一秀専務は2013年の「元気印の旅館」を紹介。滋賀県おごと温泉・湯元舘が京都府湯の花温泉・翠泉を譲り受けてリニューアルオープンした「京YUNOHANA RESORT翠泉」、客室の標準化を目指して3タイプの個性ある客室にリニューアルした群馬県伊香保温泉の「ホテル天坊」、狭小客室をトップクラスの客室にリニューアルした山形県蔵王温泉の「蔵王国際ホテル」、多目的なビュッフェスタイルの食事会場を設けた富山県の「金太郎温泉」、滋賀県おごと温泉の「湯元舘はなれ葭蘆葦」、大阪府犬鳴山温泉の「不動口館」、富山県・雨晴温泉の「磯はなび」、三重県賢島温泉の「汀渚ばさら亭」について詳述した。
橋本信雄常務は「新世代の顧客ニーズに合致させる販売」をテーマに、自館の商品力のアップや活況であるシニア市場への強化、インバウンド対応、ネット対策などの必要性などを紹介した。
次回の旅館大学セミナーは、7月に滋賀県彦根市の彦根キャッスルリゾート&スパで開催予定。